ある日、スナフキンが魚釣りからテントへ帰ると、
一通の手紙が中に置かれていた。
‘スナフキンへ’と書かれたその手紙には、
差出人の名前がなかった。
開けてみると中には一枚の白い紙があり、
「世界は美しい」と書かれていた。
不思議な手紙を持ったまま、
スナフキンはあたりを見回した。
ムーミン谷は秋の盛りを迎えており、
透き通った青い空には、
白いイワシ雲が漂っていた。
様々な落葉樹は、もみの木や杉の木を背景にして、
赤や黄色に燃え上がっていた。
「そうだ。世界は美しい」
そうスナフキンはつぶやいた。
「いや、まだこんなに美しいと言うべきだろうか」
おさびし山に沈む太陽を見つめながら、そう思った。
ジョン・レノンは奇妙な夢から目覚めた。
昔読んだムーミン谷の世界に、
たった独りでいる夢だった。
そこは真っ暗だった。
ただ一つの家の灯も見えなかった。
そして誰も居なかった。
かすかに見える木々は枯れ果てて、
まるで月面のように荒涼としていた。
暗くて、寒くて、淋しくて、
おまけに腹ぺこだった。
ジョンは恐ろしさのあまり、叫び声をあげた。
その声で彼は目覚めた。
*続く(原文1996年/2013年改訂)
2013年2月28日木曜日
2013年2月19日火曜日
スタジオキャット
引越から、早2ヶ月近く過ぎた。
この間、2度風邪を引き、偏頭痛が起き、
花粉症は現在、悪い状態のピークと思われる。
部屋に合わせて、新しい家具を幾つか揃えた。
照明器具が2つ、大きな本棚が1台。
ブックラックが1台、靴用棚と食堂の棚。
棚は全て組立家具。自分で組み立てた。
イームズの復刻デザインの赤い椅子。
作業用・食堂用兼用の机が1台。
貰った大きな学習机と椅子は大変重宝している。
ソファに合わせた、足載せスツールも買った。
収納用の箱も幾つか買った。
具合が良くない中でも片付けは細々と継続した。
2DKの狭い洋室をアトリエにするためだ。
齢、50歳をとうに超えて、
ダ・ヴィンチのライバルをうそぶきながら、
専用のアトリエを持ったことが無かった。
専用アトリエで制作することが、
ささやかなぼくの夢だった。
2月16日土曜日。
初めて、アトリエで絵具の絵を描いた。
制作途中でいちいち片付けなくてもいい。
描いた作品は次から次へと壁面へ貼り付けた。
あまりの心地よさに、
お祝いのバーボン水割りを拵えた。
スタジオキャットが誕生した。
この間、2度風邪を引き、偏頭痛が起き、
花粉症は現在、悪い状態のピークと思われる。
部屋に合わせて、新しい家具を幾つか揃えた。
照明器具が2つ、大きな本棚が1台。
ブックラックが1台、靴用棚と食堂の棚。
棚は全て組立家具。自分で組み立てた。
イームズの復刻デザインの赤い椅子。
作業用・食堂用兼用の机が1台。
貰った大きな学習机と椅子は大変重宝している。
ソファに合わせた、足載せスツールも買った。
収納用の箱も幾つか買った。
具合が良くない中でも片付けは細々と継続した。
2DKの狭い洋室をアトリエにするためだ。
齢、50歳をとうに超えて、
ダ・ヴィンチのライバルをうそぶきながら、
専用のアトリエを持ったことが無かった。
専用アトリエで制作することが、
ささやかなぼくの夢だった。
2月16日土曜日。
初めて、アトリエで絵具の絵を描いた。
制作途中でいちいち片付けなくてもいい。
描いた作品は次から次へと壁面へ貼り付けた。
あまりの心地よさに、
お祝いのバーボン水割りを拵えた。
スタジオキャットが誕生した。
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