2013年11月25日月曜日

永劫回帰

生まれ変わりを僕は信じない。
でも、生まれ変わりがあってもぼくは構わない。
生まれ変わったぼくは、
今ここにいるぼくと、全く同じではないと、
そう思っているからだ。

ブッダは「死後の世界」や「輪廻転生」ついて
決して語ることはなかったと、本で読んだ。
あらゆる意味で、徹底したリアリストだったブッダが、
「断定出来ない世界」を説くわけがないなと思った。
だから極楽も地獄も、ブッダには関係ない。

ソクラテスや孔子も、
不確かなことについては語らずだったらしい。

ニーチェの永劫回帰説。
単なる輪廻転生を説いたわけがない。
「100万回生まれ変わって、まったく同一の人生を送ることに、
君は耐えうるか」そうニーチェは問うているらしい。
100万回同じ人生を送ることと、
ただ一回の人生を送ること。
この間に差はないと思う。

だからぼくが生まれ変わりを信じないことと、
100万回の同じ人生を送る覚悟を持つことは
ほとんど同じことなのだ。

実のところ、良くはわからない。
分からないことを受け入れること。
今日、1枚の絵を描いたこと。
他にやりたいことを、少しでもやれたかどうか。
それがぼくの100万回目の人生の秋の一日なのだ。
もしくはあらゆる意味において、
たった一度しかない、ぼくの人生の一日なのだ。

2013年11月10日日曜日

酒場放浪記

吉田類の「酒場放浪記」
昔は実家に帰ると、父と見ていた。
引っ越して衛星放送が見られるようになり、
今は自宅で再放送をよく見ている。

昭和な感じの、一軒居酒屋がいい。
大勢の時は、チェーン店にも行くが、
元来、独り呑みが好きだ。

かれこれ20年近く前、
モツ焼き「百薬の長」を乗り換え駅で発見し、
以後ずっと通い続けている。
先日、見知らぬ青年が、知り合いからこの店を聞いて、
「北千住から来ました」と言う。
常連一同が驚いて、お酒を奢った。

東京に来て、最初に好きになった居酒屋は
豊島園の駅からちょっと歩いた処に在った。
店の名前は忘れた。たぶんもう無いだろう。
ちょっと甘い味噌味にたっぷりした豆腐の入った、
モツの煮込みが安くて美味しかった。

福生にあった名店「より道」
こわい顔のマスターと優しい顔のママさん。
鰯の刺身、レバ刺し(もう食べられなくなりましたね。残念!)
馬刺し、関サバを生れて初めて食べた店。
レモンサワーがメチャクチャ美味しいと思った。
浅利の酒蒸し、煮込みも絶品。しかも安い。
タラの白子、ホタルイカの刺身、アン肝もあった。
メニューには無いが、ママさんに頼むと
インスタントラーメン明星メン吉くんを作ってくれた。
10年程前に惜しまれつつ、閉店してしまった。

小・中学の同級生直登くんから教えてもらった、
長岡駅前の居酒屋「酒小屋」
メニューはモツの煮込みと日本酒、ビールのみ。
帰省する度に、寄っている。
大きな鉄鍋に、柔らかく煮た牛のモツ、玉葱、コンニャク、豆腐のみ。
夏は冷房はおろか、扇風機も回っていない。
団扇や扇子で扇ぎながら、熱いモツ煮を食べ、酒を飲む。
午後4時開店で、モツ煮が無くなると閉店。
「百薬の長」同様、マスターが一人で店をやっている。

田無の「だるまさん」、花小金井の「虎居」、一橋学園の「蔵」もいい。
池袋駅前の「ふくろ」、吉祥寺「いせや公園店」、
上野駅ガード下の「大統領」も何度も行った。

良い雰囲気の居酒屋で独り呑み。
ぼんやりしたり、呑み屋で知り合った人や、
見知らぬ人との会話も楽しい。

2013年11月3日日曜日

おいしい日本酒

日本酒が好きだ。
それもぬる燗。真夏でもぬる燗がおいしい。

新潟生まれだから、新潟の日本酒はイチオシだ。
以前はずっと村上の銘酒「〆張鶴」を飲んでいた。
「吉乃川」も美味い。それから「大洋盛」
名前は知っていたが、飲んでなかった。
山中湖へ所用で出掛けた時に、知人が持ってきた。
あまりのおいしさに驚いた。

ブームになった「八海山」や、全国人気だった「越の寒梅」
「雪中梅」もよかった。「峰の白梅」は飲んだことがない。
この三つで「三梅」と呼ばれていた。
最近では「景虎」もいい。「緑川」も美味。

青梅にある定食屋(居酒屋ではない)で
山形の銘酒「十四代」を飲んだ時は驚いた。
そこでは石川の「天狗舞」、高知の「酔鯨」、広島の「酔心」
他「浦霞」など全国の地酒を堪能した。

しかし日本酒の未来は暗い。
毎年お盆にある新潟の同級会。
30名を超える参加者でも、日本酒を飲むのは5名程度。
夏ということもあるが、新潟だよ、そこは。

ぼくなりに日本酒が何故伸び悩むのか、考えてみた。
一つははアルコール度数が高いこと。
日本酒はアルコール15度前後。
ワインが12度前後、ビールは5度前後だ。

焼酎ブームは酎ハイ、ウーロン杯など、
割って飲めることが、いまだに支持されている。
低迷を極めたウイスキーもハイボールのお蔭で復活した。
いずれもアルコール9%以下が主流で、5%以下もありだ。

ポイントは何かで割れること。
自分好みの味になり、アルコール度数も調整可能。
日本酒の復活には、水割りや炭酸割りと合うような酒の提供と、
イメージ戦略が必要なのだと思う。
そうでないと、女性やアルコール度数が低いお酒を好む人に
支持され、裾野を広げることは難しい。

ぼく自身はぬる燗が良いけれど・・・。