2014年3月18日火曜日

クラゲ月

「クラゲ月」
「何、クラゲ月って?」
「あの月、クラゲに似ている」

3月上旬の昼下がり。
向かいの団地の上空に、
白いクラゲ月が出ていた、

クラゲ月は青い空の中をふわりふわり
気持ちよさそうに泳いでいた。

「あの月は(地球の反対側の)
ブラジルでも見えるのかな?」
と彼女は聞いた。
「さあ。月と太陽と地球の位置関係だな。
今度調べてみるよ・・・」

もちろん、調べてなどいない。
ただクラゲ月は良いなと、
次にクラゲ月を見るのはいつだろうかと考えた。

万葉の人も平安の人も、
メソポタミアやエジプト古王国のひとも、
きっとクラゲ月を見ていたのだろう。

あの月を見た、どれだけの人が
あれを「クラゲ月」と呼んだのだろうか。

春の昼の日差しとクラゲ月。
とても良い取り合わせだ。

宇宙空間を漂って、
地球にたどり着いた生命体。
ぼくらはそれらの末裔だ。

そして海から舞い上がったクラゲは
月になって、空を漂っている。

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