2012年8月23日木曜日

イマジン

歴史から学ぶのは難しい。

日露戦争の後、日本中で講和条約が軟弱だと
政府を非難する抗議活動が起きたという。
マスコミもそれを煽った。
歴史小説家の司馬遼太郎は
「ロシアに勝ったという驕りがその後の日本を狂わせた。」
とその著書に書いている。

第2次世界大戦では、当時の軍部もほとんどが
「勝ち目が無い」と分かりながら、日米開戦に踏み切った。
国民やマスコミはそれを支持していたのだ。

中国を見ていると、国内の不満を体制にぶつけられないから、
反日をガス抜きにしているようにも思われる。
日本はどうなのだろうか。
同じように内政問題の様々な不満のはけ口を
隣国へ向けてはいないだろうか。

物事は、特に他者が絡む場合は
劇的に良い結果を期待するのは難しい。
革命後の悲惨さはフランス革命のみならず、
世界史には珍しくない。

オリンピックの閉会式でジョンのイマジンが流れた。
よく考えてみれば皮肉な話だ。
オリンピックはぼくも好きで見ている。
しかし、それは正に国同士の争いを現している。
ジョンはこう唄う。
「国なんてないと思ってごらん」と。

ナショナリズムについつい熱くなってしまう、
ぼくのような人間をジョンは嗜めているのだろうか。

南アフリカの元大統領のネルソン・マンデラ氏。
獄中に在っても、看守に対して敬意を払ったという。
彼は敵の中に潜む「憎しみの対象」が
自分の影に過ぎないことを知っていたのだろう。

「みんなが今日のために生きていると思ってごらん」
ぼくはちょっとだけ、ジョンとマンデラ氏に学ぼうと思う。

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