2013年4月7日日曜日

科学は不確かだ

ファイマン博士の名前も知らなかった。
ただ、本のタイトルに惹かれて読んだ。

ノーベル物理学賞を取った著者の
講演集のタイトルである。

ファイマン博士は言う。
物理学はとても不確かだと。
確かなことはわずかしかないと。
だから物理学者は「より確かなもの」を求めて、
日々研究に励んでいるのだと。

ツボに来た。
兼がね思っていたことだったから。
「数学の確かさを数学は証明できない」
と言ったのはゲーテルの不完全性定理だったか。
数学の正しさの多くは、
ある(特定の)条件の基でしかない。

博士は続けて言う。
この世の中は誤謬に満ちているのだと。
政治家の言うことも、
マスコミの言うこともほとんど正しくなんかないと。
それは科学の不確かさに増してそうだと。

よく「統計上は」なんて訳知り顔にテレビで言う。
その統計がどんなものか知りもしないで。
どれだけの信憑性があるのか知らないで。
愚かなぼくは、根拠の無い統計によく騙される

マツコと池上彰のトーク番組で
池上彰が、「PISAでの日本教育の凋落のウソ」
をあばいていた。
PISAはOECD加盟国の学力調査のことだ。
池上彰は、加盟国が増えて
日本のランキングは下がったが
日本の得点が減ったわけではないとコメントしていた。
これも見かけの順位に惑わされていた訳だ。

ファイマン博士はマンハッタン計画(米国原爆製造)
に関与していたらしいが、サボタージュしていた逸話もある。
その真偽は解らない。
彼はノーベル賞よりも
「物理学教育者」としての自分に誇りを持っていたらしい。
彼は大変なプレイボーイで
女性によくモテたなんて話も聞いたが、
不確かな情報である。

何よりも自分自身が不確かだ。
「不確かな」世の中で、
「絶対」の真理や、正義や、道徳にだけは
騙されないようにしたい。

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