2014年4月20日日曜日

明日なき世界

「風の谷のナウシカ」を久しぶりに読んだ。

戦争という人災がもたらした未来の世界。
瘴気と言う毒を吐き出す腐海。
利害や欲望のために、戦争を止められない
皇帝や権力者たち。

数年前と違って、
今の世界とダブって見えて来た。
とても残念なことに。

敵愾心を煽る社会。
単一の価値観を押し付けようとする権力者。
福島原発事故は腐海と同じく、
人の住めない世界を作り出した。

「原発の絶対安全神話」
「原発停止による電力不足」
「電力コストが安い原発」
ほんの少し前に、私たちが信じ込まされていたこと。
ほんの少し前のことだ。

「喉もと過ぎれば、熱さを忘れる」
でも本当に煮え湯を飲まされた人は、決して忘れはしない。
故郷を失くした人たちだ。

坂本龍一がビッグイシューのインタビューで語っていた。
「今まで敵だと思っていた人とも連携する必要がある。
そうしないと後20年で世界は終わってしまうかもしれない」
仲間内で自分たちの正しさを確かめあってもダメだと。
自分と反対の人を向き合う度量が必要だと。

本当の敵は、私の中にあるのだろう。
欲深く、権力や権威に弱い私の中に。

「苦しみや悲劇やおろかさは
清浄な世界でもなくなりはしない。
それは人間の一部だから」
そうナウシカは言う。

「俺たちみんなの中にヒトラーはいるけど、
同時に僕らは愛と平和をもっている」
ジョン・レノン

自分の中のヒトラー(弱さ・醜さ)を認めること。
それがヒトラーにならない為の秘訣だろう。

どんな人間でも過ちは犯す。
国家も権力者も人間の集まりだから、過ちを犯す。
自分も国家もおろかさと向き合わないといけない。
おろかさと向き合うことでしか、
私たちは学べないのだと思うから。

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