2014年7月2日水曜日

負の世界遺産

「戦前の治安維持法も
初めは一般人とは無関係だと思われていた」
85歳になった父が言った、

「それがいつの間にか拡大解釈されて、
あんな悪法になった」
特定秘密保護法は、どうなのだろうか。

不思議なのは、政府与党の人間でも
知ることが出来ない内容もあるし、
自分たちが野党になったら、
ますます知りえない。
そんな事態を想定しているのだろうか。
「こんなはずではなかった・・・」
彼らは(ぼくらは)そう呟かないだろうか。

セブンイレブンで雑誌「負の世界遺産」を買った。
チェルノブイリ原発、グランドゼロ、
アウシュビッツ強制収容所、板門店、
スリーマイル島、リオのファベーラ、
ビキニ環礁、知覧特攻平和会館、
長崎原爆資料館、ひめゆりの塔など
世界史の負の部分を特集したものだ。
「負の世界遺産」は人間の愚かさの証左でもある。
私自身の愚かさを見つめる本でもある。

昨日閣議決定した「集団的自衛権の行使容認」
特定秘密保護法と併せて、
21世紀の「負の遺産」になりはしないか。

原発の「絶対安全神話」の時も
それで得をしている人たちに
お人よしの国民は騙されていただけだった。
絶対安全なんて、「何でも突き破る矛」と
「どんなものでも跳ね返す盾」と
同じような論理だった。

集団的自衛権の容認の先にあるもの。
憲法9条との矛盾は甚だしく大きくなる。
「だから改憲しよう」と言い出したいのだろう。
軍事輸出に力を入れようとしている、
一部の企業と関連する行政は、
にんまりするのだろう。

「集団的自衛権の行使」については
憲法に抵触する可能性があるとされる。
今後日本の各地で訴訟が起きるだろう。

その時、三権分立がどう機能するのだろうか。
マスコミはそれをどう報道し、
どのような論評をするのだろうか。

私はそのような夏を
おろおろと歩くのだろうか。

2014年7月1日。
日本の悲劇はあの日から始まったと、
未来の日本人は記すのだろうか。

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