万華鏡の中に映る
綺麗なロバ
大きな耳と大きな瞳
赤い首輪には白や黄色の薔薇の刺繍
馬の皮の鞍
紫色の一輪車が綱の上を走る
暗い藍色の天幕
眩しいスポットライト
道化師のパウロは
泣きながら笑っている
白と赤のストライプ
だぶだぶの服が波打っている
君の家に着いた
まだ夜は明けていない
君の窓に明かりはない
街灯の明かりをじっと見つめている
綺麗なロバは輪舞を踊る
万華鏡の中
パウロが追いかける
ショーは終わったのに
まだ誰も帰ろうとはしない
拍手せず立ちもせず
皆うな垂れている
帰り道は細く曲がった道
舞台裏の綺麗なロバ
一輪車乗りの少女を見つめる
少女は万華鏡に夢中だ
星の明かりは弱く
月の明かりは強い
綺麗なロバは月の女王に一礼する
百草を食べる綺麗なロバ
階段を昇る月の女王
天蓋のベッドには金色の雨
明日の雨を気にしながら眠る
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