昔のことを思い出す。
恥ずかしい過去や、くだらない自慢話。
中一の時のバレンタインデーのチョコの数。
先日、久しぶりに友人の乾さんと国立であった。
ドイツビールを飲みながら話した。
前の個展以来だから、2年以上経つ。
「よしいさん。
夢って気にする必要がないですよ。
誰かの夢を見たり、厭なことを思い出したりしても
そんなことに意味を見いだす必要なんかないです」
どういういきさつで夢の話になったかは定かでない。
でも、この言葉には得心がいった。
もっと言えば、はっとした。
そうか、気にすることなんか何もないんだと。
夕べは凄く眠かった。早く布団に入った。
瞳を閉じると眠すぎて、瞼の裏がじんじんとする。
今までならば、そこで「ああ眠れない」と思った。
寝られなくても構わない、そう思ってやり過ごした。
変な夢を見て、目が覚めた。でも気にならなかった。
ちょっと前まで厭な夢を見ると、
その厭な感じが後まで残ったのに。
気にならなくなること。
これを夢の世界だけでなく、昼の時間にも応用出来ないか、
2,3日前にこう思うに到った。
自分は捏造されている。
数々の思い違い、勘違い、妄想で構築されている。
ならば今現在の自分の世界、自分の周りの世界
この二つに区別があるのかも定かではない。
そんな不確かな世界について、
思い悩んでも致し方ない、そう思った。
だからと言って何が変わった訳でもない。
ただ夢をただの夢と知ったことに似ている。
世界は世界だ。自分は自分だ。
それ以上でもそれ以下でもなく、
僕が日々をただじたばたと生きる
そのことに何の変わりはない。
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