2011年9月20日火曜日

Covers

ニューヨーク出身の知り合いの米国人。
彼がこんなことを言っていた。
自分はオバマ支持だが、彼は原発を廃棄したりしない。
「なぜなら、彼の支持基盤は原発の発電会社だからだ」

ブッシュは彼自身が石油メジャーのオーナーだが、
火力発電会社が支持基盤だという。
米国では火力発電と原子力発電の会社が別組織なのだ。
当然、利害関係が異なり日本のような独占ではない。

彼はこうも続けた。
ドイツのメルケル首相が「脱原発」を宣言したことに驚いた。
「左派よりの政権なら分かるが、彼女は保守派だ」
だからより素晴らしいと思う。そしてこう続けた。
「海洋プレートの近くに原発を作るなんてクレージーだ」

管前首相は「原発からの脱却を口にした。(個人的見解と言い直したが)
今朝のニュースで野田首相の国連演説が報道されていた。
野田首相は「日本の原発を世界一安全にする」と語り、
今後も原発を推進していくことを世界へ向けて発信した。
朝の報道ではNHKだけが
それに対する反対意見も報道していたように思う。

「脱原発」から「原発推進」へ。
政権政党の方針が180度変わったと言うのに、
マスコミはほとんど沈黙している。何故だろう。

この国ではこの問題を決して国民的議題にしない
そんな空気、何処からかの意志が感じられる。
何故かこの問題で「世論調査」が行われない。
NHKとテレ朝「ニュースステーション」では、
連続して原発の問題を取り上げていたと思う。
それらは大きな広がりを見せようとしない。

9月19日敬老の日。
明治公園で行われた「さようなら原発」の集会に出掛けた。
大江健三郎、山本太郎ほかが呼びかけたこともあり、
会場は人が入りきらないほどの活況を呈していた。

僕の頭の中では、
今は亡き忌野清志郎がRCサクセション時代に作った
反原発のアルバムCovers の Love me tender が流れていた。

「放射能はいらねー、牛乳が飲みてえ・・
何言ってんだ、ふざけんじゃねー。核などいらねえ・・
何言ってんだ、止めときな。いくら理屈をこねても・・・
ほんの少し考えれば、オレにも分かるさ・・・」

「脱原発」か「原発推進」か。
せめて論議ぐらい、まともにして欲しいと思う。
それでも大江氏が述べていたように、
「集会やデモに参加して訴えていく」道しかないのだろう。

あきらめないこと、希望を失わないこと。
それを自分に言い聞かせている。

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