2011年9月30日金曜日

ある秋の日の情景

秋の日の始まり
陽射しは柔らかく影を落とす
玉川上水歩道の林を抜けて
川底の水面はあるいは黒く
あるいは白く、光と闇を反映している

川辺の土手には曼珠沙華
鮮やかな赤い花弁は此岸から彼岸へと誘う
とりとめもなく日々のことを話し合った
読んだ本の話、最近観た古い映画のこと
アラビアのローレンス

フェルメールの手紙を読む青衣の女
通信文化の幕開けと市民文化の成熟
17世紀フランドルのレシピ
固くなったパンとミルクで作るお粥
あの絵は間違いなく傑作だと
見る前から想像が膨らむ

ネコバスに乗った
ふかふかの天井に触れた
車窓から見える風景は
繰り返し観たあの夏の夕暮れ
バナナ味のアイスクリーム

帰り道、夕焼けの空に一筋のひこうき雲
茜色の雲を左右に分かつ
大きく個性的な三鷹の住宅街を歩く
遠目にも印象的で大きな緑色の銅葺きの屋根
山本有三記念館の洋館だと気付いた

暮れかかる秋の夕暮れ
駅ビルの灯り、街灯、ネオンなど
様々な色の灯りが目の前に在った

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