2012年7月7日土曜日

東京片貝会

故郷のお祭の木遣り唄。それを聞きながら涙が止まらなくなった。

ここは東京のど真ん中。日本テレビ麹町ビルの隣、
東京グリーンパレスの宴会場である。
6月24日日曜日の午後4時過ぎ。
新潟の小さな町に過ぎない小千谷市片貝町。
そこの出身者の集まりである「東京片貝会」

ステージ上にはわざわざ新潟からバスで駆けつけた
39名と東京近郊在住の新潟県小千谷市片貝町出身の79名。
そのほとんどが毎年、秋の大祭で唄われる木遣りを熱唱していた。

午前中の仕事を終えて携帯を手にすると、3通のメール。
その内2通が、中学の同級生、正敏からのものだった。
「朝からバスで、東京へ向かっています。
宏は今日、出席しますか?」

午後1時まで仕事だった。東京片貝会は1時に開始していた。
片貝町は特異な町だといえる。
これと言った特徴のない田舎町なのに、
秋祭りに打ち上げられる四尺玉(直径約120cm)は
世界最大の打ち上げ花火としてギネスブックに登録されている。
重陽の節句である毎年9月9日10日は全国から
片貝町出身者が集まってくる。
成人や厄年還暦には中学校の同級会で山車を出して
打ち上げ花火(スターマイン)を奉納するのだ。
お祭では何度も何度も繰り返し木遣りが歌われる。

「本町二丁目のやな~~~ああっ
なあ~~~はよう、なあはようよおっせぇ~~~ええっ
本町二丁目のや、糸屋ああの娘、はあやれこの~~~せ」
要は糸屋の娘の次女に惚れて願をかける内容の唄だ。

その故郷の唄を聞いて涙が止まらなくなったのは
故郷を奪われた福島県の人たちのことを思い、
自分の故郷が同じようになったら、どんな思いだろうかと
想像したからだ。

故郷が普通にあること。
この世界が当たり前のように存在していることは
様々な幸運によっているのだと思わずにいられない

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