2013年5月26日日曜日

ぼくは負け犬

ビートルズのアルバムFOR SALE。
2曲目がI'm a loser ジョンの歌だ。
直訳すると「ぼくは負け犬」
恋に破れた男の歌。

「八重の桜」を見ていたら、
中村獅童演じる勇ましい武士が、
作戦参謀に向かってこう叫ぶ。
「ぬしは腰抜けか~~~!」と。

「腰抜け」「弱虫」「負け犬」「女々しい」
いずれも居丈高な人が、
回りを責める時の常套句だ。
でもそう言う人の多くは厳しい現場や、
ましてや戦地には赴かない。
(中村獅童は武闘派役だけど)

あれが史実とは思わないけど、
「八重の桜」の慶喜公は、
家臣を焚き付けといて尻を捲る、
困った指揮官として描かれている。

村上春樹の小説「ダンス・ダンス・ダンス」に、
羊の格好をした羊男が出てくる。
彼は「戦争に行きたくない」ので隠棲している。
「いつか必ず戦争は始まるよ」と羊男は言う。

国際関係が悪くなると、
とたんに他国や他民族へ攻撃的になってしまう。
でも本当に自分が一兵卒として
戦地に行くことなど、ほとんど誰も想いもしない。

自分が特攻隊員として出撃しなければならない、
そんな夢を見たことがある。
同級生はすでに行ってしまっている。
夢の中で、悲しくて、恐ろしくて泣いてしまった。
本当にそうだったら、
気が狂ってしまうしまうかも知れない。

負け犬、腰抜けと罵られても、
知らんぷりして、生きていく。
そういう人に、ぼくはなりたい。

0 件のコメント:

コメントを投稿