2014年1月30日木曜日

「よこしまな僕」 第一句集

「自分」
厭なこともつまらないこともぼくの人生
こんな俺を責めない俺は偉い
よこしまな僕もほんとうの僕
どうしようもない脳天気でいよう
自嘲なんかしないすぐに自嘲する
いい気になっているもっといい気になろう

「酒」
反省などしない串の数を眺めながら呑む
酒匂ふ脳みそで想い出している
酒が好きなのか呑まずにいられないのかわからない

「生きる」
ただじたばたと生きる
ドキドキとわくわくの狭間を生きたい
ひまつぶし人生の方をつぶそうよ
死へ向かう我と我が身は生きている

「日常」
退廃も虚無さえもない二十一世紀
電車の中の声も姿もまぼろしなのか
退屈という日常の檻に隠れている
一瞬ごと一瞬だけを信じている

「季節」
雲はなく影もしづかに日曜日の朝
なんだか今朝は墓石も輝いて
黄金の粉をふりまく日暮れかな

「真理・道徳」
ぼくの神はぼくの中にいる君の神は君の中にいる
道徳は天使のような悪魔のささやき
人類みんなナルシスト
神は神で人は人で精いっぱい

*第二句集の予定はまったくありません

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