2011年7月3日日曜日

ポスト・モダニズム(近代主義について)

大学時代の現代美術論の教授。
美術評論家の藤枝晃雄氏。
授業は勿論だが、著書でも影響を受けた。

名著「ジャクソン・ポロック」。
「現代美術の展開」や「現代美術の彼岸」とともに
自宅の本棚に今でもある。

「日本は生まれながらのポスト・モダニズムで
モダニズムが欠如している」とかつて指摘されていた。
氏は日本の美術は文学的な色彩の濃い
シュルレアリズムの影響が根強く、
モダニズムの主流たるキュビスムや抽象絵画の系譜
が発展してこなかったという。

ポスト・モダニズムと言えば建築。
その先鞭をつけたのが建築界の巨匠フィリップ・ジョンソン。
彼はモダニズムの延長線にあったミニマリズム。
その標語であったLess is More.
「(より)少ないことは(より)豊か」といった意味か。
それを Less is Bore.と言ったジョンソン。
「(より)少ないことは退屈だ」という意味だ。
ジョンソンはモダニズムの様式に
西洋の古典要素、古代ローマや古代ギリシャ、ゴシック様式、
それらを取り入れることで現代建築の流れを変えた。

藤枝氏の言うモダニズムには
哲学者カントからの「根底を問う」といった
還元主義の思想がある。
絵画の構造や要素を明らかにして
「絵画とは何か」を問い続ける。

ダーウィンの進化論がそうだが、ルーツを辿ること、
集合論に基づいて分類すること、
これらにモダニズムの秘密がある。

絵画においてはモンドリアンの新造形主義を例にとろう。
絵画を線と色彩という要素に還元して、
その組み合わせによって絵画を成立させる。
水平線と垂直線は黒。色面は赤・黄・青に白。
それ以外を持ち込まないし、認めない。

でも、何故そのような考えに取り憑かれたのか。
そこが解らないと、モダニズム、近代主義の秘密は
解き明かされないと思うに到った。
(たぶん、続く)

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