2009年11月10日火曜日

小さい秋

 拝島駅から西武新宿線に乗る。
 玉川上水を横切る一瞬がある。
 いつも、その一瞬に川を見る。

 新緑の頃は若草色のトンネル。
 紅葉の頃は錦色のトンネル。
 それらを眺める一瞬の至福。

 玉川上水駅までは乗車客が比較的少ない。
 紅葉の時期は線路に平行して走る玉川上水の並木を楽しむ。
 「世界の車窓から」で取り上げて欲しいくらいだ。
 「ちい散歩」の方がいいか。

 サトウハチローの「小さい秋」。
 守門村(現魚沼市)須原の祖母の家。
 もう無くなってしまった古い家を思い出す。
 北向きの階段箪笥を昇った処にあった高窓。
 そこから守門岳が見えた。

 「小さい秋」の歌を頭の中で反芻する。
 祖母の家と、浪速屋の柿の種の四角い金属の容器の
 外側に描かれた昔の農家の情景。
 この二つを思い出す。

 「なんぼう考えてもおんなじことの草枯るる」山頭火

2009年11月9日月曜日

秋のソナタ

 冬のソナタ。
 僕は見た。知り合いのぺ・ヨンジュンファンが
 見なさいと貸してくれたのだ。
 
 昔の日本の昼ドラの匂いがした。
 熱くくどい。でも最後まで観た。
 チェ・ジウじゃなくてぺ・ヨンジュンはいいなと思った。

 秋のソナタ。イングマル・ベルイマンの映画。
 あまり憶えてない。
 ベルイマンの映画は高田馬場の早稲田松竹で観た。 
 「処女の泉」は驚きだった。
 「叫びとささやき」は怖かった。
 テレビで観た「ある結婚の風景」。結婚は恐ろしいと思った。
 吉田拓郎の「結婚しようよ」と全然違ってた。

 映画は監督で観る時期が続いた。
 フェリーニの「道」「8・1/2」「女の都」「サテリコン」。
 キューブリックの「2001年宇宙の旅」「時計仕掛けのオレンジ」
 「シャイニング」。ヒッチコック「鳥」「裏窓」「サイコ」等々。

 黒沢明「蜘蛛の巣城」「生きる」「七人の侍」。
 ルイス。ブニュエル「アンダルシアの犬」「皆殺しの天使」。
 ヴィスコンティ、小津、ゴダール、溝口。
 デビット・リンチにブライアン・デ・パルマ。
 パトリス・ルコント、ピーター・グリナウエイ。竹中直人は新しい。

 去年、友人の岩井氏から寺山修司を借りた。
 「田園に死す」「書を捨てよ、街に出よう」は衝撃だった。 
 中学で観た「ジョニーは戦場に行った」と高校で観た
 「イージーライダー」以来だったかも知れない。
 
 

2009年11月8日日曜日

北のまほろば

 昔見た夢。
 一人で島を歩いている。
 夢の中では、北の樺太のような島。
 岬には白い灯台があった。
 そんな光景を夢の中で何度も見ている。

 11/6(金)にNHK総合で放映された「世界一番紀行」。
 高校の友人で俳優の大高洋夫が旅人として出ていた。
 新潟日報で「ナジラネ」と言うエッセイを大高が書き、
 僕が挿絵を担当して、もうすぐ2年が経つ。

 彼がシベリアの世界で一番寒い村を訪ねていた。
 以前にBSやハイビジョンで放映されたものだ。
 極寒の世界に生きる人々の生活が素朴に描かれていて面白かった。

 寒いところは好きではない。けれど北に憧れる。
 南の楽園はたしかに素晴らしいだろう。
 以前行ったハワイは素晴らしいリゾート地だった。
 ゴーギャンが住んだタヒチも素敵だ。

 けれど夢に出てくるののは北の大地だ。
 小学生の頃はムーミンシリーズ本を読んでいた。
 フィヨルドに憧れる。礼文島にも行ってみたい。
 オーロラが見られたら感動するだろうな。
 
 そういえばチェコも東欧だが北国だ。
 チェコにアニメに刺激されてアニメを描き直している。
 あっ、でもプロントくんは南の島生まれだ。
 けれど彼が旅した先は、きっと北国なのだろう。

2009年11月6日金曜日

ぼくらと遊ぼう

 チェコのアニメを見た。
 今日が最終日だった。

 ロシア(ソ連)のアニメ「チブラーシュカ」。
 同じく「霧に包まれたハリネズミ」のノルテンシュタイン。
 チェコのアニメもシュヴァンクマイエルは以前に見ていた。

 仕事帰りで初めは眠かったけど、10分程度の
 密度の濃いアニメ作品にどんどん引き込まれていった。
 共産圏の崩壊の前の作品がほとんど。
 製作に様々な規制があったに違いない。
 けれど、それを創作のバネにしているように感じられた。

 アニメだけど、ちっとも子ども向けに見えない。
 寓意的で象徴的な主題。陰影の深い画像。
 質感に拘った表現。長く暗い冬を持つ人たちの世界だ。
 けれどユーモアもある。

 昔見た「ウルトラQ」。今見ると子ども向けらしくない。
 8マンなんてタバコ吸うしな。共通しているのは
 「子どもはこんなもんだろう」と言う決めつけがないことだ。
 面白かったら、難解なものでも子どもは面白がる。
 分かるか分からないかが問題ではないのだ。
 心にざらっと引っかかるかどうかが大切だと思う。

 尊敬する友人、ケダモノ中西氏から「ブログに書くな」
 とメールが来た。せっかく「それ行け!中西くん」
 を連載するつもりだったのに。。残念!

2009年11月5日木曜日

B級グルメ

 アニメを試し撮りした。
 うーーーーん。まあこんなものか。
 音楽を付けるとか、どう発表するかなどと書いた。
 
 リズムがなーー。絵がどうとか、構成がどうとかではない。
 アニメの動きのリズム、場面の移り変わりのリズム、
 つまりシークエンスが今イチどころか、今サンだな。

 描くつもりだった、海底都市も面倒になって止めた。
 描き足して、編集し直そう。
 今年はアニメ制作の年にしよう。あと2ヶ月もないけど。

 TBSで始まったドラマ「深夜食堂」。なかなかいい。
 ビッグコミックオリジナルで連載されてるマンガが原作。
 それを忠実に実写化しる。主役の小林薫。似合っている。

 週に二回は通うモツ焼き「百薬の長」。
 名店だ。佇まいがまず良い。木造で昭和の雰囲気。
 店内はカウンターのみ。マスターが一人で切り盛りしている。
 
 マスターがいい。風情があって人柄が良い。
 メニューは多くなく、売り切れ続出。
 いつぞやは、チーズと梅干ししかなかった。それでも飲む。
 安くて美味しい。美味しいにも色々あって、
 ここは飽きのこない味だ。だから毎日でも飽きない。
 (週5日行ったことがある。友人の岩井さんは毎日?)

 場所は、教えない。小さな店内は十二、三人で満席だ。
 人が増えたら自分が入れなくなる。
 ほとんどが一人でやってくる。職種はさまざま。
 平均年齢は異様に高い。楽しい常連が多い。
 
 そう云えば「深夜食堂」もカウンターのみだな。
 明日はレバ刺しで一杯やりにいこう。 

2009年11月3日火曜日

裏通り

 寒いと思ったら、北国に雪の便りが届いた。
 例年よりずいぶん早い。
 温暖化のはずなのに。

 僕の子どもの頃、初雪は大体11月だった。
 紅葉が終わりの頃、寒い朝にカーテンを開ける。
 庭に一面の雪。長い冬のはじまりだ。
 名僧良寛も「冬夜長し」と云う漢詩で
 雪降る夜の長さ、大変さを詠んでいる。

 あの頃日本海側は、裏日本などと呼ばれていた。
 冬に積雪は2mを超えるが普通だった。
 毎日、毎日雪。一晩で1m積もることもあった。

 それでも、初雪の日の美しさは格別だった。
 母もよくそう言っていた。

 裏日本に生まれ育ったせいだろうか。
 仕事で毎日新宿に通っているが、裏通りを好んで歩く。
 あまりの人混みを避ける意味もあるが、単純に面白い。
 裏通りの猥雑さ、混沌とした感じ、思いがけない発見。
 人間臭く、人生を感じる。

 裏日本に生まれ育ったことは関係なく、
 自分の生き方が裏通り向きなのだろう。
 あっ、オレはBack Street Boy か。
 

2009年11月1日日曜日

二流の人

 友人であるケダモノ中西さんからメール。
 「日記が面白い。一年続けたらアル中じゃないと
 認めてやるよ」だってさ。はははは。

 ビートルズ研究会で仲間のリコ先輩みたいに
 「よしいさんの青は素敵ねーー」と何で素直に
 絵を褒めてくれないのか・・。まあいいけど。

 「レクイエム・怪獣と大ロボットシリーズ」も
 前回個展の「洪水のあと」も「暗いね・・・。」と言われる。
 実は「キャットくん」も「あくまくん天使」も
 別に明るくない。キャラクターが可愛く?見えるだけだ。

 今回のプロントくんは、明るい絵にしようと決めて描いた。
 アニメの原画を写メールで知り合いに送った。
 昔のバンド仲間、粟飯原さんに「哀愁がある」と返事が来た。
 勿論、褒め言葉と信じている。

 ちょっとしたベストセラーになった本「怖い絵」。
 3巻まで出ている。まだ1巻しか読んでないが面白かった
 たぶん3巻まで読むだろう。
 その中にはいかにも怖い絵と、えばドガの「踊り子」の絵のように
 一見怖くない絵もある。
 実は怖い絵だったと言われた絵の方が、脳裏に残った。

 「洪水のあと」の絵を見て、明るくなったね元気にそうに見える、
 言ってくれた人もいた。考えてみれば名画と呼ばれる作品に明るいと
 単純に言える絵はあるのだろうか。
 
 僕のライバル、ダ・ヴィンチの「モナリザ」もフェルメールの
 「青いターバンの少女」も宗達の「蓮池水禽図」も梁楷の山水画も
 明るい絵とは言えない。ピカソの人気シリーズ「青の時代」なんか
 色調も主題も暗い。

 明るい・暗いと言う二元論が面白くないんだな。
 僕はよく「よしいさんは明るいですね。悩みなんかないでしょう」
 と言われる。面倒だから「はい」と答える。