拝島駅から西武新宿線に乗る。
玉川上水を横切る一瞬がある。
いつも、その一瞬に川を見る。
新緑の頃は若草色のトンネル。
紅葉の頃は錦色のトンネル。
それらを眺める一瞬の至福。
玉川上水駅までは乗車客が比較的少ない。
紅葉の時期は線路に平行して走る玉川上水の並木を楽しむ。
「世界の車窓から」で取り上げて欲しいくらいだ。
「ちい散歩」の方がいいか。
サトウハチローの「小さい秋」。
守門村(現魚沼市)須原の祖母の家。
もう無くなってしまった古い家を思い出す。
北向きの階段箪笥を昇った処にあった高窓。
そこから守門岳が見えた。
「小さい秋」の歌を頭の中で反芻する。
祖母の家と、浪速屋の柿の種の四角い金属の容器の
外側に描かれた昔の農家の情景。
この二つを思い出す。
「なんぼう考えてもおんなじことの草枯るる」山頭火
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