2009年11月10日火曜日

小さい秋

 拝島駅から西武新宿線に乗る。
 玉川上水を横切る一瞬がある。
 いつも、その一瞬に川を見る。

 新緑の頃は若草色のトンネル。
 紅葉の頃は錦色のトンネル。
 それらを眺める一瞬の至福。

 玉川上水駅までは乗車客が比較的少ない。
 紅葉の時期は線路に平行して走る玉川上水の並木を楽しむ。
 「世界の車窓から」で取り上げて欲しいくらいだ。
 「ちい散歩」の方がいいか。

 サトウハチローの「小さい秋」。
 守門村(現魚沼市)須原の祖母の家。
 もう無くなってしまった古い家を思い出す。
 北向きの階段箪笥を昇った処にあった高窓。
 そこから守門岳が見えた。

 「小さい秋」の歌を頭の中で反芻する。
 祖母の家と、浪速屋の柿の種の四角い金属の容器の
 外側に描かれた昔の農家の情景。
 この二つを思い出す。

 「なんぼう考えてもおんなじことの草枯るる」山頭火

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