祖父は建築家だった。
曾祖父より前は、何代かか続いた宮大工だった。
昔の家。
近代化や高度成長で、増改築を繰り返した家が多かった。
小千谷市片貝の実家。典型的な日本家屋に、
祖父が洋風の建築事務所を増築。二階まで吹き抜けの部屋だった。
階段は表階段と裏階段の二つあった。
表階段の上から、建築事務所の部屋を見下ろすことが出来た。
北魚沼の母方の祖母の家。長岡市深沢町の親戚「筆や」の家。
友人の家。どれも個性的でユニークだった。
実家の片貝町の裏山の畑に行くと、手製の作業小屋があちこちにある。
あり合わせの材料で作られた小屋は大きさも、間取りも
個性がはっきり見て取れた。
「小屋の力」と言う分厚い本。
これには世界中の小屋と言う小屋が写真と文で紹介されている。
フィンランドの海岸沿いにある、休暇小屋。
アメリカで当時流行りだしたツリーハウスは、少年の夢だと思った。
そして、巻末にはこれでもか、これでもかと続く作業小屋。
日本国中の作業小屋が、山の中に海辺に畑の中、田んぼの中街中に
あらゆる処に点在し、それらが写真で収められている。
美しい。見飽きない。規格品でないことの美しさだろうか。
今でも建築に関心があり、本を読んだり展覧会にも出掛ける。
コルビジェ、ジョンソン、ライト、リートフェルト、ガウディに
丹下健三、安藤忠雄ら近代建築の名匠はいずれも素晴らしい。
けれど、それはそれとして無名の小屋にも確かに美しさ面白さがある。
僕も自分の力で自分の小屋を建ててみたい。
それは究極の夏休みの工作になるだろう。
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