独りで磯にいた。
磯の内側は穏やかな浅瀬。
磯の外側は、水深3m近く。波が荒い。
場所は新潟県の海水浴場「笠島」。
小学校時代を通して、
年に一度の海水浴を楽しみしていた。
僕には2歳年上の姉がいるが姉は水泳を好まず、
高学年になると母と二人で出かけた。
母は海の家で、一人読書にいそしんでいたので、
海辺にはいつも独りで出掛けたのだった。
波が荒いと、磯の外側の深い処には潜れない。
無理して外海に出ると、岩場に体を叩きつけられる。
それでも波が穏やかな時、磯には多くの海の生き物が見えた。
水中メガネを付けて、海の底へ潜ると
自分が海の世界の住人になった気分だった。
怖い思いを何度もしたせいだろうか。
成人してからも、独り磯で遊んで溺れそうになっている、
そんな夢を度々見た。
少年時代の体験や、夢の世界から
「キャットくんとふしぎなプール」は生まれた。
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