2010年10月4日月曜日

真夜中のディズニー・シー

 ディズニー・シーで夢想した。

 ほとんど電灯が消えた真夜中のディズニー・シーを
 懐中電灯を持って歩いたら
 怖いけど面白そうだなと。

 アトラクション「シンドバッドの冒険」を
 たった一人で乗ったら怖いだろうなと。

 1944年制作されたディズニーアニメ
 「ファンタジア」から「魔法使いの弟子」を先日観た。
 何年振りか分からない。
 
 プロジェクターで投影された大画面のそれは圧巻だった。
 「運動はその初期に頂点を迎える」と語ったのは
 マルセル・デュシャンだったろうか。
 それともアンドレ・ブルトンだったっけ。

 「ファンタジア」を観るとそう感じる。
 初期のフルカラーアニメにしてその頂点を極めている。
 
 僕はディズニーランドやその世界が好きではない。
 どちらかと言えば嫌いだと思う。
 全てが砂糖菓子で包まれたような世界が恐ろしいのだ。
 「楽しいこと」「盛り上がること」を強要された世界。
 ディズニーワールドにそんな天の邪鬼な見方をしてしまう。

 それでも「ファンタジア」や「ピノキオ」などは凄いと思う。
 何故だろうか。

 一つは話の内容など子ども向けに易しくし過ぎていないこと。
 もう一つは光と同等以上に闇が描かれていること。
 そしてこれが一番大きいかもしれないが、
 アニメの地位が確立されているわけでなく、
 その技法の可能性も確立されていない時代の
 創作に対する意欲と実験精神が現れていること等々である。

 ディズニー・シーの園内を歩いていると
 「凄いなあ」「大したモノだな」と感心する。
 母親のリクエストで訪ねた今回もそう思った。

 開園時のディズニー・シーは
 僕には何処までもよそよそしく、
 僕は「真夜中のディズニー・シー」を夢想した。

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