土曜日のこと。
仕事帰りに小川駅に下車し百薬へ向かった。
朝からの雨が降り続いていた。
百薬へ向かう駅前通りには30mほどの金木犀の並木がある。
雨に打たれて道端に落ちたオレンジ色の花びらが
細い川のように繋がっていた。
去年の今頃も雨が降り、
金木犀の花がすっかり散ってしまった事を思い出した。
でも10数年も百薬に通い続けて
金木犀の並木に気が付いたのは一体何時のことだろうか。
数年より前でないと思うのだが。
今年も神無月となった。
作品制作が足りなかった。
言い訳はしたくないので、残りの日々は制作に励もう。
朝と夕暮れの空が美しい季節になった。
ゴミゴミとした新宿の空にも、
いやそんな新宿だからこそ秋の空は一層と美しい。
夕暮れの暗闇は街を美しく見せる。
仕事の帰りに数枚の風景写真を撮ることがあっても
たいていは通り抜けるように西武新宿駅へと向かう。
途中下車は小川駅。
目指すは百薬の長の手前の金木犀と
百薬の長のお酒である。
明日はレバ刺しと熱燗を楽しもう。
まだ金木犀が残っているといいのだけれど。
「白玉の歯にしみとおる秋の夜の
酒はしづかに飲むべかりけり」牧水
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