2010年11月12日金曜日

ダ・ヴィンチと利休

 ダ・ヴィンチと利休。

 この二人を比較しその背景を比較したら、
 西洋と日本の近世の形が見えてくるのではないか、
 そう考えて調べてみた。

 僕がライバルと認めるレオナルド・ダ・ヴィンチは、
 云わずと知れたイタリアルネッサンスの万能の天才である。
 彼はキリスト教への信仰は持っていたようだが、
 聖書の教義の科学的な誤りには、気付いていた。

 時代背景は大航海時代の幕開けであり、
 異国からの様々な文化・文物がもたらされた。
 イタリアは小国に分裂しており、内戦のみならず
 国外からの侵略があった。

 千利休は「侘び茶」を大成し、
 その後の日本文化の形を作った一人である。
 彼は「侘び寂び」の精神性を追求し広めた人であり、
 様々な美術・工芸を組み合わせによって見立てる人であり、
 自分の精神を表すために、茶碗や茶室などをデザインした人である。

 室町後期から安土桃山時代は、
 中国・明との貿易で唐物と呼ばれる中国の書画・工芸がブームとなり
 大航海時代のスペイン・ポルトガルなどが南蛮文化を伝え、
 ベトナムに日本人町が生まれた時代だった。
 そして正に戦国時代。
 
 戦争の時代、異文化の流入、大商人の台頭など
 数多くの共通点を持つことが見えてくるのだ。
 宗教の衰退によって中世の価値観が壊れた時代でもある。
 
 そこで生み出された文化は
 いずれも後の時代に継承・発展し
 今日まで続いているものが少なくない。
 
 ダ・ヴィンチと利休は近代的な「自意識」を持ち、
 それを外に対して発信した人たちだった。

 「茶の湯とはただ茶を点てて飲むことなり」利休

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