ダ・ヴィンチと利休。
この二人を比較しその背景を比較したら、
西洋と日本の近世の形が見えてくるのではないか、
そう考えて調べてみた。
僕がライバルと認めるレオナルド・ダ・ヴィンチは、
云わずと知れたイタリアルネッサンスの万能の天才である。
彼はキリスト教への信仰は持っていたようだが、
聖書の教義の科学的な誤りには、気付いていた。
時代背景は大航海時代の幕開けであり、
異国からの様々な文化・文物がもたらされた。
イタリアは小国に分裂しており、内戦のみならず
国外からの侵略があった。
千利休は「侘び茶」を大成し、
その後の日本文化の形を作った一人である。
彼は「侘び寂び」の精神性を追求し広めた人であり、
様々な美術・工芸を組み合わせによって見立てる人であり、
自分の精神を表すために、茶碗や茶室などをデザインした人である。
室町後期から安土桃山時代は、
中国・明との貿易で唐物と呼ばれる中国の書画・工芸がブームとなり
大航海時代のスペイン・ポルトガルなどが南蛮文化を伝え、
ベトナムに日本人町が生まれた時代だった。
そして正に戦国時代。
戦争の時代、異文化の流入、大商人の台頭など
数多くの共通点を持つことが見えてくるのだ。
宗教の衰退によって中世の価値観が壊れた時代でもある。
そこで生み出された文化は
いずれも後の時代に継承・発展し
今日まで続いているものが少なくない。
ダ・ヴィンチと利休は近代的な「自意識」を持ち、
それを外に対して発信した人たちだった。
「茶の湯とはただ茶を点てて飲むことなり」利休
0 件のコメント:
コメントを投稿