2010年11月16日火曜日

第一句集「よこしまな僕」

 よこしまな僕もほんとうの僕

 反省などしない串の数を数えながら呑む

 酒匂う脳みそで憶い出している


 頭のうしろから銀杏の匂い

 君は正しいだからなんだっていうんだ

 退廃も虚無さえもない二十一世紀


 退屈という日常の檻に隠れている

 神々しくあくまでも神々しいパチンコ屋のあかり

 どうしようもない脳天気でいよう


 雲はなく影も静かに日曜日の朝
 
 木の葉降るひねもす眠い十一月か

 なんだか今朝は墓石も輝いて


 坂道を転げ落ちるように生きる

 道徳は天使のような悪魔のささやき

 こんなにひどい自分を責めない


 生きるただじたばたと生きる

 煙突がすっきりとくっきりと朝

 まっすぐな土手の道を歩く 

0 件のコメント:

コメントを投稿