2010年12月6日月曜日

ヒロシです 2010

 自虐ネタの芸人ヒロシが復活している。

 「笑点」に出演したあと「笑っていいとも」に出演。
 両方ともほとんど同じネタだったが、見飽きない。
 「いいとも増刊号」で3回目を見た。
 繰り返し見ると、味わいが増す。面白い。

 「ヒロシです・・・・・。
 視力はいいのに、未来が見えません・・・」。
 「ヒロシです・・・・・。
 3年前まで、ヒロシさん一生応援します。一生ラブですの
 ファンレターがたくさん来ました・・・。
 みんな、死んだのでしょうか?・・・・」。
 「ヒロシです・・・・・。
 とうとう、もうすぐ消えそうな
 お笑いタレントランキングからも消えました・・・・・」。
 「ヒロシです・・・・・。ヒロシです・・・・・。
 ヒロシです・・・・・」。

 同じネタで何度も面白いのは古典落語の世界である。
 枕(話始め)もオチも同じでも面白い。
 
 「笑点」の大喜利メンバーで活躍中の春風亭昇太。
 彼の創作落語を芸術劇場と浅草演芸場で2回観た。
 同じ落語で海外旅行中の日本人をテーマにした話だった。
 この人売れるだろうなと思っていたら、
 まもなく「笑点」のレギュラーになった。
 「笑点」では、50歳を過ぎて結婚出来ない自分を
 よくネタにしている。

 人を攻撃するネタは瞬発力はあっても長続きしない。
 自分を馬鹿だなあというネタは人を安心させる。
 ああ、そうか馬鹿なのはオレだけじゃないんだと。

 「フーテンの寅さん」があれだけ国民的人気を博したのも
 自分を尊大に見せない、むしろ自嘲する、
 そんな処にあったのではないか。

 自虐ネタも高じると卑屈になる。
 卑屈には恨みなどの負の感情が伴うが、
 自分を笑うことで人を楽しませた時、
 それはある種の客観性を有するようになると思う。

 名前が同じ「ヒロシ」ということもあるが、
 芸人「ヒロシ」の復活は嬉しい。

 「うしろすがたのしぐれていくか」山頭火
 山頭火は究極の自嘲俳人であると思う。

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