2010年4月9日金曜日

桜の木の下で

 桜の満開が続いている。
 花冷えのためだ。
 ソメイヨシノは青空よりも
 花曇りの朝の方が美しいのではないか。
 何日か前にそう思った。

 ソメイヨシノは、白っぽいピンク色だが、
 近づいて良く見ると、少し灰色がかっている。
 近づいてみるならば、しだれ桜、大島桜などが綺麗だ。

 塊として見ると、白さが明るさを感じさせて良い。
 曇りの日の灰色の背景だと、桜色がより鮮やかになる。
 勿論、夜桜で見れば漆黒の背景に白さがコントラストとなり、
 艶やかにさえ見える。

 英語や仏語などには「花見」と言う言葉がないらしい。
 中国や、朝鮮半島ではどうだろうか。
 花見と言う言葉の存在は別にして、
 そのような習慣があるとはあまり聞かない。
 あ、でも三国志には有名な「桃園の誓い」があったな。
 桜以外の花でやるのかも知れないな。

 三年前だったろうか。
 恒例になっている井の頭公園の仲間のとの花見。
 あまりの寒さに外での夜桜を諦め、いせや公園店で飲んだ。
 帰りに井の頭公園の池を覗いたら、
 雨も止んで水面が鏡のようになっていた。

 ライトに照らされた夜桜が水面に映り込み、
 妖しい光を放っていた。
 あまりの美しさに息をのんだ。
 美しさを感じると同時に、
 夢の世界のような幻想的な世界を恐ろしく感じた。

 「美しいものは同時に恐ろしい」。

 拝島駅から西武線の車両の中から、毎朝桜を見る。
 僕はこの時期、電車に乗る度に
 桜の精に生気をを吸い取られているのかも知れないな。 

0 件のコメント:

コメントを投稿