2010年4月29日木曜日

青春の詩

 中学1年生の頃だった。
 
 ビートルズに続いて、フォークが心を捉えた。
 同級生の直登の姉ちゃんがレコードを持っていた。
 
 「岡林信康の世界」が衝撃だった。
 アングラフォークというか、
 拓郎の「結婚しようよ」とは別の世界だった。

 「チューリップのアップリケ」や「流れ者」
 そして「私たちの望むものは」。
 友人の大高が出演した芝居「僕たちの好きだった革命」。
 終了前に主演の中村雅俊がギターの弾き語りで歌っていた。

 「今あるうーふ幸せーーに留まってはならなあいーー。
 まあだ見ぬうーーー幸せにい今飛び立つのだあーーー」。
 今聞いても、ちょっとぐっと来る。
 古くさいメッセージソングだとは思わない。

 ガロのアルバム、拓郎のデビューアルバム「青春の詩」。
 ともに直登から借りて聞いた。姉さんの持ち物だ。
 オレと直登は好きな歌を折り込み風の紙に書き写した。
 題して「歌のアルバム」。
 そう、あの「一週間のご無沙汰でございました」、
 の玉置宏の名司会で始まった、あの番組と同じタイトルだ。
 
 そんな内に直登がフォークギターで作詞作曲を始めた。
 「涙に濡れた君の瞳」と言うたわいもない歌だったが、
 まだ作詞も作曲のしたことがないオレは負けたと思った。
 直登の2作目の「朝の光」は素朴だけどいい感じの歌だった。

 おまけに直登は自分の芸名も考え出した。
 「朝野日美子」、あさのひみこがその名だった。
 「朝、野原に出たら美しい子がいたよ」と言う
 馬鹿馬鹿しい名の由来だが、やはり負けたと思った。
 (たぶんつづく・・・)

0 件のコメント:

コメントを投稿