2010年4月19日月曜日

春の祭典

 昨日の日曜日は快晴だった。
 
 土曜日に百薬に寄ったお陰で
 ぐっすりと寝て起きた。
 バンマスのポールさんから届いたメールに 
 ライブの曲順が書いてあった。
 
 朝からライブの練習をした。
 CDを聴きながら、ギターを弾き歌う。
 土曜日にあった緊張感が和らいでいた。
 
 Lucy in the sky with diamonds を
 CD無しで弾き語りで練習した時、
 左耳の上で、僕の声にハミングして歌う、
 ジョン・レノンの声が聞こえた。

 サビの部分の一番高いキーをジョンは歌う。
 「ルーシーィンザスカアイウイズダイアーモンズ」と。
 勿論CDプレーヤーは止まったままだ。

 幻聴ではない。
 幻聴の一種かも知れないが、言うなれば残聴である。
 同じ音を聞き続けると、脳内に音が残留するのだろう。
 それが日常化すれば、勿論立派な?精神病になる。
 太宰治の短編、「トカトントン」の世界である。

 「10人くらい集まるかな・・・・」。
 あまりパッとしない本番前のリハーサルの後で、
 バンドマスターのポールさんが言った。
 国分寺駅前のデニーズで本番前の腹ごしらえをし、
 景気づけに生ビールを飲んでいた。
 
 「5分前だけど始めよう」。
 開始5分前にもかかわらず、会場はすでに満員だった。
 
 それから2時間半。
 入れ替わりのお客を含め約50名のお客さんの前で、
 夢見心地で、歌い演奏した。
 
 地下一階にある縦長のライブハウス「ラバーソウル」。
 その名の通り、ビートルズをこよなくリスペクトする
 オーナーの気持ちが痛いほど伝わってくる店内だ。

 英国調のインテリアにビートルズの数々のポスター。
 彼ら使用と同じモデルとおぼしき沢山のギター。
 そしてモニターではこれから僕が歌うヘイジュードを
 ポールが歌っている映像見える。

 大勢のお客さんの熱気で盛り上がった店内。
 そんなただ中で一瞬頭をかすめる、もうひとりの自分の囁き。
 「オレは何でここにいるんだ!?」。
 「お前は絵描きで、ミュージシャンじゃない。 
 こんなに凄いメンバーと素晴らしいお客の前で、
 お前だけが場違いだ」と。

 「そうだな・・・」と頷く。
 けれど今はライブの真っ最中だ。集中しろ!
 よしいひろしAがよしいひろしBにそう命令する。
 (つづく)

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