サルスベリがおかしい。
いつもの年ならば花がたわわに咲いている。
9月までは花の盛が続いていた。
しかし先日花小金井駅周辺の百日紅を見たら、
花がいつもの3分の1も無い。
近づいて良く見ると、花が終わって沢山の実がなっていた。
異常な猛暑だというのに、
百日紅は秋を迎えようとしているのか。
暦の上では今日が「立秋」である。
「秋来ぬと目にはさやかに見えねども
風の音にぞ驚かれぬる」藤原敏行
残暑お見舞いの時期になると、
毎年この歌を思い出す。
暑いのさ中に「小さな秋」を発見する感性の鋭さ、
「驚かれぬる」と感動を歌う率直さを
素晴らしいと感じるし凄いなあと思う。
画家長谷川燐二郎の言葉。
「何よりも大切なのは‘感動’である。
要するに画家の定義は、
画を描く人と言うよりも、
絶えず外部に感動を見出し、
絶えず自然を万物を賛美し、
感動の生活を送る人、である」。
(私は何度同じことを手帖に書くのだろう)。
僕は今日も暑さの中で過ぎ去りゆく夏空を眺める。
「現実は精巧に出来た造られた夢である」。
長谷川燐二郎
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