2010年8月29日日曜日

片貝町(晩夏Ⅳ)

 「よくヤッポの家でギター弾いてたな。
 オメん家の犬のシロが好きらったや・・」。
 「シロな・・・。
 オラたちが中二の時の臨海学校から帰ったら、
 シロが死んでたがらや・・・」。

 15日の夜。片貝町二ノ丁割烹「かねし」の2階にいた。
 片貝中学校第28回卒業生「双葉会」の総会で集まっていた。
 およそ30人弱。100人の同級生の3分の1か。
 
 総会はようするに同級会なのだが、
 節目の年のお祭が盛んな片貝町では、
 多くの同級会が八月のお盆の時期に行われる。

 かねしの2回には和室の広間が幾つかあり、
 全て他学年の同級会で埋まっていた。
 他の地域では理解しがたいが二十歳に始まり、
 33歳、42歳の厄年、50歳、還暦祝いと
 ことある毎に同級会を上げて片貝町の秋季大祭に参加する。
 
 秋季大祭は毎年9月9日・10日と決まっている。重陽の節句だ。
 偶然見た志村けんのTV番組でも片貝の花火が紹介されていた。
 現在ではギネスブックに登録された世界一の四尺玉が有名である。

 片貝祭がユニークなのは、花火が中心の祭だけれど
 花火大会でなく、そのほとんどが町民の寄進として
 浅原神社に奉納されている処だろう。

 各同級会で節目の年に花火を奉納する。個人でも奉納する。
 町内毎にも花火を上げる。

 僕ら双葉会の42歳の会費は男子13万円だった。
 (女子7万円だったと思う)
 それだけの大金でおそろいの法被(はっぴ)を作り、
 様々な事前行事を行い、山車を制作し、花火を上げる。
 余所の人には理解不能な世界だろう。
 祭は平日だったりするわけで、当然仕事を休んで参加する。

 お祭には他の地域から見れば奇異に見えるものが多い。
 諏訪神社の御柱祭など、その最たるものだろう。
 片貝祭は奇祭ではないが、やはり独特なのだ。

 同級会の閉めの挨拶をしろと突然のぶりんに言われた。
 去年の祭でも町外在住者代表の挨拶をさせられた。

 「オラたちもいい年になったっけ、
 これからは一年一年が勝負らいや。
 還暦まで生きて、頑張ろーれーーー!」。
 僕の挨拶はいつも無茶苦茶である。 

 片貝町ではお盆を過ぎるとお祭の準備が本格化する。
 それぞれの町内の集落センターから
 お囃子の調べが聞こえてくる。 

1 件のコメント:

  1. 藤塚です。
    15日に5ノ町の福寿会の事務所で同級会をやっていて、盆踊りに繰り出したりと大騒ぎでした。
    よしいさんとは接触しなかったのですが、片貝の夜は濃いですねぇ(笑)
    今年はぼくらの代が50歳なのでやらせて頂きます。
    先輩方や皆様のご支援でこんな時を迎えられる幸せを噛みしめています。

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