涼しい朝だ。
昨日までの猛烈な暑さが嘘のようだ。
13日まで仕事で山中湖に居た。
14日から昨日の午後まで郷里の新潟に居た。
台風の後の新潟はフェーン現象で酷く蒸し暑かった。
加えて老夫婦(両親)だけが生活するその家は、
普段の空気の入れ替えが充分でなく、
家の中には行き場のない湿気と熱気が漂っていた。
二階の南東に位置した僕の寝室は普段使われていない。
重く湿った暑苦しい部屋で寝た。
クーラーを点けっ放しにしていても厭な汗をかいた。
夕方に長岡駅に着いた。
片貝行きのバスにはだいぶ時間があった。
馴染みの古着屋を覗き、
ダメもとで居酒屋「酒小屋」へ向かった。
お盆の時期だから休みだろうと思っていた。
暖簾が下りている。しめた。
「煮込みと酒をください」。そう言った。
狭い店内にクーラーはない。
窓も扉も開いているが、みな団扇で扇いでいる。
酒小屋のメニューは「モツ煮込み340円」のみ。
あとは一切なし。飲み物も酒と瓶ビール大のみ。
50代、60代の男性が主な客。
10人も入れば満席になるだろう。
開店は午後4時。煮込みがなくなると閉店。
だいたい六時過ぎ。
平屋建ての外観も、壁の一部が剥げ落ちた店内も
白い下着の半袖シャツの店主も完全に昭和の世界だ。
僕はこの店に立ち寄るために
午後五時ころに長岡駅着の新幹線に乗り込む。
煮込みしかないが、客足は途切れない。
回転率も良い。みなモツ煮一杯と酒二杯くらいで帰るからだ。
当然煮込みは美味い。何処よりも美味しいと思う。
だから行くチャンスがあれば必ず入る。
蒸し暑い店内で、暖かいモツ煮と燗酒。
「幸せとは撃ったばかりの暖かい銃」。ジョンの唄だ。
「幸せとは食ったばかりの暖かいモツ煮」。こっちの方がいい。
実家に帰ってから、地元の店「あおきや」で
ホルモン焼き1000円を買う。
カシラ、ハツ、ガツ、レバ、ヒラなどあらゆるモツが
あおきや独特の甘辛いタレで味付けされている。
これがビールに合う。たまらない。
久しぶりのブログは吉田類の「居酒屋放浪記」みたいだな。
花小金井の肉屋「だいとく」の味付けガツと
ブラウンマッシュルームを食し、
赤ワイン「王様の涙」を飲みながら書いた。
*たぶん続く
0 件のコメント:
コメントを投稿