2010年9月14日火曜日

少年老いやすく、学成り難し

 「キムちゃんは小中で廃品回収やってた?」。
 「オレは大学でもやってたよ」。
 「それはアルバイトでしょう」。

 キムちゃんこと木村さんは百薬の常連。
 青森出身の木村さんと新潟出身の僕は
 年が近いこともあり、仲良くさせてもらってる。

 「やったよね。町内会毎にリヤカー牽いてさ。
 中学になると、悪い先輩が瓶だけ金になるから
 瓶を酒屋に売ったり、エロ本持って帰ったりさ」。
 「オレの中学なんてさ、
 夏休みの宿題が乾燥どくだみ1kgだよ」。
 「どうするの?それ」。
 「どくだみの葉は漢方薬になるから売るんだよ。
 それが生徒会予算の収入源になったんだ」。
 「よしいさん、若いのにやってることは古いねーー」。
 いつも若いとうそぶく僕を知って木村さんはワザと言う。

 「オレ、スズメバチに刺されたことあるよ」と木村さん。
 「親に言ったら自力で治せと言われたよ。
 そしたら暫くしてまたスズメバチに刺されたんだ」。
 「えーーーっ。2回目はマズイよ。下手したら死ぬんだよ」。
 「うん。さすがに高熱が出て医者に行ったよ」。
 「オレは小4の時、クマンバチが頭を刺してさ」。
 「頭はやばいよ」。
 「オレも熱出して、全身にじんま疹が出たんだよ・・・。
 あれでオレの神童時代は終わったんだ」と最後だけホラを吹いた。

 「オレ中三の時に学校の応援団長になってさ」。
 「よしいさん。オレは高校の時応援団長やってたよ」。
 「えっ、あの名門○○○高校の応援団!キムちゃん凄いなー」。

 話は尽きず二人は百薬を出て「スナック京子」に向かった。
 
 *続かない 

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