2010年9月24日金曜日

センチメンタルな秋

 「寒さ、暑さも彼岸まで」とはよく言ったものだ。
 今日秋分の日(お彼岸)は見事に涼しくなった。
 朝5時過ぎに起きると、
 日の出が随分遅くなったことが実感できる。

 あまりの土砂降りの大雨で、
 鷹の台の松明堂ギャラリーに出掛けることを断念した。

 お陰で午前中にプロントの水彩画を、
 夕方から夜にかけてパネルに和紙を貼ったボードに
 墨絵を描いた。
 6時間以上描いたのは今年になって初めてかもしれない。

 I氏よりメール在り。
 本日午後6時よりNHK総合で「アラーキー」こと
 写真家の荒木経惟氏の特集があるとのお知らせ。

 アラーキーは大好きな写真家だ。
 写真家と言う範疇に収まらない芸術家だと思う。
 でも見事に写真家である。

 30代の半ばに10年以上続けていた抽象画から
 具象的なイメージの絵へ一大転換した。
 その前後からアラーキーの写真を良く見るようになった。
 随筆なども買って読んだ。

 「センチメンタルでいいんだよ」。アラーキーはそう宣う。
 そうか、と励まされた思いがした。

 僕は自分の頭の中で創り上げた「近代主義」と闘っていた。
 「モダニズム」常に最新のものを要求する。
 その要求に応えたいと考えていた。
 
 「センチメンタルでいいんだよ」。
 自分にとってのリアリティ。センチメンタルな世界。
 それは自分が経験してきた世界の中にある。

 僕にとって最初の絵画とは
 8マンや鉄腕アトム、鉄人28号だった。
 自分が影響されてきた文化とその背景を探ること、
 それは自分にとっての「近代主義」を探ることでもあるのだろう。

 秋は一気に深まる気配だ。
 僕の大好きなセンチメンタルな秋がやって来る。 

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