「寒さ、暑さも彼岸まで」とはよく言ったものだ。
今日秋分の日(お彼岸)は見事に涼しくなった。
朝5時過ぎに起きると、
日の出が随分遅くなったことが実感できる。
あまりの土砂降りの大雨で、
鷹の台の松明堂ギャラリーに出掛けることを断念した。
お陰で午前中にプロントの水彩画を、
夕方から夜にかけてパネルに和紙を貼ったボードに
墨絵を描いた。
6時間以上描いたのは今年になって初めてかもしれない。
I氏よりメール在り。
本日午後6時よりNHK総合で「アラーキー」こと
写真家の荒木経惟氏の特集があるとのお知らせ。
アラーキーは大好きな写真家だ。
写真家と言う範疇に収まらない芸術家だと思う。
でも見事に写真家である。
30代の半ばに10年以上続けていた抽象画から
具象的なイメージの絵へ一大転換した。
その前後からアラーキーの写真を良く見るようになった。
随筆なども買って読んだ。
「センチメンタルでいいんだよ」。アラーキーはそう宣う。
そうか、と励まされた思いがした。
僕は自分の頭の中で創り上げた「近代主義」と闘っていた。
「モダニズム」常に最新のものを要求する。
その要求に応えたいと考えていた。
「センチメンタルでいいんだよ」。
自分にとってのリアリティ。センチメンタルな世界。
それは自分が経験してきた世界の中にある。
僕にとって最初の絵画とは
8マンや鉄腕アトム、鉄人28号だった。
自分が影響されてきた文化とその背景を探ること、
それは自分にとっての「近代主義」を探ることでもあるのだろう。
秋は一気に深まる気配だ。
僕の大好きなセンチメンタルな秋がやって来る。
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