3月末に実家のある新潟に居た。
越後湯沢ではたくさんあった雪が、
長岡駅周辺になると、ほとんど消えていた。
お正月には何年振りかの大雪だったのに、
残雪は思ったほどではなく拍子抜けした。
それでも長岡駅を降りると凄く寒かった。
やはり新潟は北国なんだと実感した。
実家に着いて昼食を食べ、レンタカーに乗る。
母と入院中の祖母を見舞いに行く。
小千谷から、川口町を抜け、堀之内町に来ると
2m近く積もった残雪があった。
あいにくの曇天で、小出町に入ると
冷たい雨が降り出した。
101歳になる祖母はベッドで小さくなって寝ていた。
看護婦さんに起こしてもいいかと尋ねると許可が下りた。
祖母は寝ぼけた眼で僕と母を見た。
母が色々と話しかけると、「うん、うん」と頷いた。
帰る段になって、「帰るよ、また来るよ」と言うと、
「下まで見送れなくてわるいのう」と祖母が言った。
もう言葉が出てこないのではと思っていたので、驚いた。
祖母にはいつも驚かされる。
帰り道、雨はみぞれに変わり、夜には雪になった。
翌朝、居間から庭を眺めると10cmほどの雪が積もっていた。
「積もったね」と言うと母親は
「今の時期の雪は‘淡雪‘と言って、
降って積もってもすぐに消える」と言った。
「淡雪」か。良い言葉だな。
しばらく忘れていた。
東京じゃ「なごり雪」だな。
(つづく)
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