2010年5月12日水曜日

無限の空間

 高一の僕が、由美ちゃんに渡したカセットテープ。
 タイトルは「吉井宏の世界」。書いてて恥ずかしい。
 由美ちゃんは聞いたことも覚えてないだろうな。
 
 アルバム「岡林信康の世界」を真似た。
 当時の代表作「無限の空間」。
 無意識に小野ヨーコのアルバム「無限の大宇宙」、
 これをもじったのかも知れない。

 「無限の空間」は小学生の頃から感じてた
 この世界に自分一人が存在していると言った
 孤独感やある種の虚無感を表した歌だった。
 その歌詞をここに書く勇気はない。

 そのテープを今でも持っている。
 怖いもの見たさで聞いてみたい気もする。
 
 清人とやったデュオ‘ミー&ケイ’。
 清人が好きだったPink Lady から名付けた。
 3年生のクラス企画ライブ喫茶でビートルズをやった。
 そのテープもある。清人のギターがいいので
 今聞いても恥ずかしくはない。

 昔描いた絵は、今見てもほおーーとか、なかなかだなーとか思う。
 多少下手だと思っても、今では描けないなと思う。

 歌や演奏、文章は聞き直したり、読み直したりしても
 絵のようにいいなあとは思えない。ちょっと酸っぱい感じ。
 しょっぱい感じか。恥ずかしい。
 でも止められない。

 昔の絵や、歌、文章や写真に触れると、
 今や幻影の中の風景を思い浮かべる。

 その中で僕は自転車で坂道を登ったり、
 50ccのバイクで海を目指して、峠を越えたりしている。
 冬の弱い陽射しの中で白いマスクをして笑ってた
 大島由美さんのことをごく希にだが、思い出したりする。

 「私の耳は貝の殻。海の響きを懐かしむ」コクトー

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