2010年5月18日火曜日

朝の読書

 まだ寝ていられるのに、
 起きて読みかけの本を読む。

 辺りは静かで、
 時折少し離れた線路から電車の音が聞こえる。
 雨でも、曇りでも構わないけれど、
 晴れていて暑くなければなおのこと良い。

 今、読みかけの本はアーヴィングの「ガープの世界」。
 若桑みどりの「絵画を読むーイコノロジー入門ー」。
 実家で見つけた上山春平の「日本の思想ー土着と欧化の系譜ー」。
 雑誌ペンの「キリスト教とは何か」。
 ニーチェ「道徳の系譜」。などなど。

 寝る前の本は悪夢の原因になることを最近知った。
 朝ならば何を読んでも心配はない。
 毎朝、西武線に乗るとメールの後本を読む。
 10分か20分読むと、ほとんど寝てしまう。

 本に限らず、朝型の僕は大抵のことが
 朝やるのが望ましい。
 夜に描いた作品は朝の光で眺めると、
 出来不出来がよりはっきりと分かるように感じる。

 ユーミンの名曲「雨の街を」。
 「いつか眠い眼を覚まし、こんな朝が来てたら。
 どこまでも遠いところへ歩いて行けそうよ」。
 雨上がりの朝のイメージが良い。

 同じくユーミンの「朝陽の中で微笑んで」。
 「朝陽の中で微笑んで。銀のベールの向こうから。
 夜明けの霧が溶け始め、ざわめく街が夢を誘う」。
 ハイファイセットのバージョンが好きだった。
 
 小説も歌も、細部は具体的でありながら
 寓意性に富んだものが好きだ。
 
 絵画でも作品の中に入り込むことはある。
 その場合作品の中に入った自分の後ろ姿を見ている自分が居る。

 しかし音楽や文学の場合は入り込んだ世界とより一体化する。
 夢の中と同じなので、自分の姿は見えない。
 それが楽しく、同時にちょっと厭だ。
 
 夜に、お酒を飲みながら音楽を聴き、小説を読むのもいい。
 けれど、空っぽな心と体でする朝の読書が好きだ。 

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