2011年4月10日日曜日

終わりと始まり

 先月半ば、松明堂ギャラリーに行った。
 望月通陽さんの個展を見るためと
 購入した望月さんの作品を取りに行った。

 地震の後で被災者の支援を行い、
 ほぼ徹夜での仕事を終えた後だった。
 
 普通なら一刻も早く家に戻って、
 食事を取って休んだ方が良いのだろう。
 でもそうはしなかった。

 松明堂ギャラリーはこの3月で24年間の活動を終えた。
 来年、恐竜のプロントくんシリーズを
 松明堂でと考えていた。
 それよりも素敵なお気に入りの画廊が無くなること、
 そのことが残念だった。

 友人の野沢くんが数回個展をやった
 京橋のギャラリー山口も閉廊となった。
 銀座の老舗で様々な現代美術の作家たちが発表を行った
 村松画廊は昨年やはり閉廊となった。(僕も3度個展をしている)
 大学同期の大浦さんが個展をしていた
 ギャラリーブリキ星もそうだ。

 「散るさくら残るさくらも散るさくら」良寛

 人は必ず死ぬ。
 組織や団体も永遠ではない。
 庄屋だった良寛の実家も今はない。
 終わってしまった各画廊はそれぞれが文化の創造に関して
 重要な役割を演じてきたし、その事実はこれからも変わらない。
 
 これからも新しい文化は生み出されるし、
 新たな画廊も生まれるだろう。
 
 ある物事の終了は新しい何かを生み出した時
 大きな意味を持つ。

 終わりは始まりでもあるのだ。

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