2010年7月22日木曜日

銀河鉄道の夜

 猛暑が続いている。
 23日は暦の上で「大暑」だった。 
 
 昼に暑いのはまだ我慢が出来る。
 厭なのは夜になっても暑苦しいことだ。

 25℃を超えると「熱帯夜」と呼ばれているが、
 先日友人が「熱帯の夜に熱帯夜はない」と教えてくれた。
 熱帯の人たちは私たちより確実に健やかな眠りについている訳だ。
 熱帯には壁のない柱だけの家が存在する。必要がないからだろう。
 以前、写真で見たことがある。
 
 世界でも特有な蒸し暑く寝苦しい夜のために、
 冬の寒さを考慮しない、夏のための家を
 私たちの祖先は工夫してきたのだろう。
 
 アニメ「となりのトトロ」の舞台、
 さつきとめいの家にもそれが窺える。
 長い縁側があり、夏の夜はそこを開放する。
 家の中には蚊帳が吊ってある。

 僕の実家も30年以上前にはそうだった。
 縁側を開け放し、蚊帳を吊った。
 吹き抜けの斜め天井の高窓からは
 月やたなびく雲が見えた。

 目を凝らせば、
 遙か銀河を走る銀河鉄道が見えたかもしれない。
 
 「黄金虫投げ打つ闇の深さかな」虚子
 
 

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