2010年2月8日月曜日

赤と黒

 一昨日、拝島駅構内の本屋さんで見つけた。
 「ニーチェの言葉」。
 開いて見つけた最初の言葉。
 著書「力への意志」からだった。

 「自分を尊敬せよ」。
 そう書いてあった。流石だ。
 自分を卑下する者は、人を卑下する。
 僕がそうだから、間違いない。

 自分を尊敬するのではなく、
 尊大に見せようとする者。
 これはコンプレックスが強い人だ。
 自分に自信があったなら、尊大にはならない。
 尊大な人は、必要以上に自分を誇示する。

 けれど、こんな風に自分を分析したり、
 反省したり、ラジバンダリ。(古い)。
 それよりも尊敬せよと言う。
 自分が尊敬する自分になれと言う。
 大きなお世話かもしれない。
 でも、かっこいいなと思う。
 良い時のニーチェの言葉には切れがある。

 毎日通う、新宿の朝の風景。
 新宿国際劇場を横目に、裏道から甲州街道へ。
 その手前に小さな映画館。
 昨年唯一映画館で観た映画、
 チェコのアニメを上映した映画館。
 そこのポスターに目を止めた。

 最初に見たのは、懐かしの映画「8・1/2」。
 マルチェロ・マストロヤンニ主演、
 フェデリコ・フェリーニ監督、音楽はたぶんニーノ・ロータ。
 イタリア映画、黄金のトリオ。

 その隣に見慣れないハンサムのポスター。
 大きく「赤と黒」と書いてある。
 映画のプログラムには同じスタンダールが原作の
 「パルムの僧院」もある。
 
 観てみようかなと、立ち止まった。

 小六の時、新築の家で初めて自分の部屋が与えられた。
 僕の勉強机の本棚には、父親の文学全集。
 赤茶けた背表紙を時折眺めていた。
 その中で気になったタイトルが「赤と黒」。
 
 僕の人生は、もうそんなには長くない。
 長年の宿題を片づける時期かもしれない。

 「この人生と寸分違わぬ人生を、
  永遠に繰り返す、そう思って生きよ」。
 ニーチェ

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