2010年2月17日水曜日

「破壊の神」

 破壊の神は言う
 「破壊は美しい」
 心の中の小さな悪魔が応える
 「そうだ、破壊は美しい
 でも何故美しいのだろう?」
 「破壊はおまえの心に
 畏怖の気持ちを起こさせる
 かつてあった風景に思いを寄せて
 失ったものの大きさに愕然とさせる」
 続けて言う
 「無差別な破壊だけが平等なのだ
 富めるものにも、貧しい者にも
 また強いものにも、弱いものにも
 老人、子ども、大人
 女性、男性の区別無く
 破壊の力はゆき渡る」
 「それでは破壊の神、
 あなただけが何者にも破壊されないのですか?」
 「いやすべてが破壊されて
 俺の仕事が終えた時、
 創造の神が
 俺を殺しにやってくる」
 

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