2010年2月19日金曜日

道化の華

 「ここを過ぎて哀しみの街
 友は哀しき目持て僕を見る」太宰

 時々、詩のようなものを書く。
 ごくたまにだ。
 「破壊の神」は06年に書いたものだ。
 
 立春が過ぎ、雨水も過ぎた。
 昨日の朝、雪が降った。
 勤め先の新宿の街も雪化粧してた。
 新宿御苑とNTTタワーの対比が面白かった。

 雪の降る日も、霜の朝もあるが、
 冬のピークは過ぎた。
 これからは朝の富士山を拝む日もめっきりと減るだろう。
 
 一昨日の夜、NHKの「知るを楽しむ」。
 亡くなったフォークシンガー、「高田渡」を特集してた。
 解説はなぎら健壱。南こうせつも出ていた。

 晩年の高田渡を、吉祥寺で何度も見かけた。
 たいていは酔っぱらっていた。
 青ざめた顔で、眼だけがギラギラしていた。
 いせや公園店の立ち飲みカウンターで、
 昼間からウーロンハイを飲んでいた。

 変わらない潔さ、
 貧しさも、時代遅れも。ものともせず、
 高田渡は歌い続けた。
 それが晩年の再評価に繋がったのだろう。

 変わらないことと
 変わり続けること。

 「選ばれてあることの
  恍惚と不安と、
 二つ我にあり」。 ヴェルレイヌ

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