「国破れて山河在り」。
山河は勿論だが、オレの中のふるさとは友の中にも在る。
時々片貝町の夢を見る。たいていがお祭の夢。
浅原神社や、片貝の町中が出てくる。
それらは現実の片貝町とかなり違っている。
双葉会の同級生が必ず出てくる。
その同級生と世界旅行していた。
「世界遺産の旅」。ピラミッドからエッフェル塔。
ロンドン橋にミラノ大聖堂。サクラダファミリアからタージマハル。
25分の1の世界だけど、すごく楽しい。
本当の世界旅行より疲れないし、空は青いし、陽は高い。
「東武スクウェアワールド」はとても楽しめた。
「ペコちゃん」も居た。東京駅前の交差点。
バッキンガム宮殿の見学。日本のお祭の屋台の前にも。
25分の1の世界の住人として。
「旅行券か、不二家のお菓子が抽選で当たるがらと」と正敏。
バスに戻る。ビールを止めて、サワーを飲む。
「おいっ、〆張鶴があるや!」とジュウゼン。「いいのう」。
「恵司は燗酒が好きらいな・・」「オメは?」。「オラも」。
「オラは熱燗にしゃっけえ酒混ぜて飲むや」。ヒロミは変わってる。
土産屋で休憩の後、バスに戻ってまた飲む。
外の喫煙コーナーに、圭子、光枝、のり、ヒロミが見えた。
タバコを片手に、何やら楽しそうに談笑している。
そこにタバコを吸わない恒がニコニコしながら、圭子に話しかける。
勿論、声は聞こえない。
「おいっ、見てみーーや。恒が歯見せに来いと言うてるやーー」。
ジュウゼンの毒舌は止まらない。(恒くんは、歯医者さんです)。
「42の時、恒んちでたまげたやーーー」。「何で?」。
「会長の恒が、オラたち役員を呼んでご馳走してくいたがども、
かか(奥さん)が金寿司、かあちゃん(母親)がおめん寿司、
二人が別々に頼んで、両方来たがらやーーー」
ジュウゼンの話を聞いてると、目の前に映像が浮かぶ。
オラも金寿司と、おめん寿司食べてーーーーー。
「おいっ、ひろし東武日光らや」。楽しい時間には羽が生えている。
みんなに別れを告げバスを降りる。ツアーのまとめ役チカシに礼を言う。
「よしいさん」。二日後いきつけの百薬で飲んだ後、
常連の星さんと帰りの電車が一緒になった。
「よしいさん。あの店に来ている年金の人は選ばれた人達なんですよ」。
「健康で、年金が貰えて、時間に余裕がないと来られないでしょう」。
そうだ、その通りだ。
星さんの話を聞きながら、
オレは鬼怒川温泉ツアーの事を思い出していた。
(終)
*ご愛読ありがとうございました。この旅行記はほとんど本当ですが
オラの妄想も混じってます。オラは妄想系男子です。
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