新潟の大雪は峠を越したらしい。
郷里の友人にメールをして、返事を貰った。
雪景色の写真、雪かきでぎっくり腰になった話、
同級会の忘年会の盛り上がりの話など。
川端康成の「雪国」。
数年前に読んだ。あまりに有名な冒頭部分。
「国境の長いトンネルを越えるとそこは雪国だった」。
新潟の人から見れば、話は逆である。
「雪に閉ざされた越後から、国境の長いトンネルを越えると、
そこは快晴の世界だった」と。
どちらからトンネルを通っても、
雪深い季節にはそのコントラストに驚く。分かっていてもだ。
三国峠を境に、日本海側と太平洋側に分かれる。
強い寒気が日本海側を襲うと、
時に一晩に1mを超える猛烈な豪雪となる。
昭和38年の所謂「38豪雪」。
当時の写真(勿論白黒だ)を持っている。
と言うより、あの時のことは記憶の片隅にある。
2階まで完全に家が埋まったのは、あの時が最初で最後だったと思う。
積雪は4mを超えていただろう。
自衛隊が雪上車で救援に来た。
交通が完全に遮断されたからだ。
次の年に「新潟地震」。豪雪と大地震は関係があるのかないのか。
5年前の「中越地震」次の年が10年以上なかった豪雪だった。
しかし「中越沖地震」の前後は大雪ではなかった。
雪国を逃げ出した人間だからか、「雪景色」に弱い。
吉幾三の「雪国」、千昌夫の「望郷酒場」。
雪国の映像をバックに聞くと堪らない。
ついカラオケでリクエストしてしまう。こんな寒い季節は。
昨日は冬至だった。
これから一日一日と春へと近づく。
桜の硬い蕾は、日ごとにふくらんでいく。
「埋火やついには煮ゆる鍋のもの」蕪村
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