家の模型を作っている。
昨年に続き2つ目になる。
自慢じゃないが、借金はあるが金はない。
「金がない奴はオレんとこへ来い。
オレもないから心配するな~。」という感じだ。
高一で美術を志した僕だが、建築家には憧れがあった。
宮大工の家系で、祖父が建築家だった影響もあるだろう。
数Ⅰで挫折していなかったら、建築家を志していたかも知れない。
だからか、大学に入っても建築への憧れは消えず、
絵画を除けば、建築科の学生作品をよく見たものだった。
建築展へも出掛ける。
エミリオ・アンバース、ルイス・バラガン、ル・コルビジェ、
安藤忠雄、バウハウス展など、様々な建築家、建築作品の
展覧会へ出掛けた。カタログも幾つか持っている。
「東武スクエアワールド」であれほど感激したのは、
世界中の名建築、構造物の正確な模型を見ることが出来たからだ。
家の模型は、美術を教えている生徒と同じく50分の1サイズ。
平面図、立面図を描いてから作る。
勿論、現実に建てられる予定は全くない。
2作目の今年は、1階に「アトリエがある家」だ。
もう、平面図と立面図はあらかた完成している。
間取り、通風に採光、動線、収納、空間性、居住性、機能性、デザイン性。
考え出すと切りがない。だから面白い。
心理学者のユングは、自邸を自力で建造するために、
石工のギルドに入門し、家作りに熱中した。
製作中に、また完成した後で、家の構造はユング自身の精神の構造と
対応していることに気づいたと言う。
ユング系の心理療法に「箱庭作り」がある。
箱の中の庭にその時のその人の精神が現れるだけでなく、
それを視覚化し構造化することで治癒に役立てるのだと言う。
家作り(模型だけど)、は自分と向き合う事なのかも知れない。
そしてそれぞれの家にはそれぞれの精神構造が現れるように思う。
だからこそ、同じ規格の集合住宅は?を感じる。
それが必要だと解っているからなおさらである。
昔読んだ、雑誌ブルータスで海外の集合住宅が特集されていた。
低所得者のための集合住宅に驚いた。これこそ文化の差ではないか。
コルビジェのマルセイユのアパートや、ブルーノ・タウトのアパート。
未だに現役だが、素晴らしい。タウトの建物は世界遺産にも認定された。
(それらは低所得者のものではないが)。
日本でも集合住宅のあり方が問われ始めているし、
その先駆的な例もある。
しかし、低所得者のための画期的な集合住宅はいつ現れるのだろうか。
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