「学校には行けなかった」。そうウソをついた。
「そうか・・・。じゃあ屋根の雪下ろしをしろ」と祖母。
「・・・・・・・・」オレ。
観念して長靴の上に(下に)カンジキを履く。
自分の部屋の脇の小屋根に大屋根に上がる鉄製の梯子がある。
雪は自分の背丈ほどもある。
掘っても掘っても雪は山のようにある。
「学校に行っていれば良かった・・」。後の祭である。
しかもほとんど吹雪いてくる。空は昼間なのに一面鉛色の雲。
顔に、横殴りの風が雪を打ち付ける。イテェ~。
手を休めて空を見上げる。
ほんの一瞬、厚い雲が強い風に途切れて、青空が顔を覗かせる。
青空を見たのは一週間振りだった。(本当だよ)。
昼近くまで大屋根を掘り続ける。
2時間以上やっても半分も終わらない。
昼食を終えて午後も雪下ろし。トホホ・・・・。
孤独な作業を続けていると、道の方から声が聞こえた。
「ひろしーーっ!何やってがあ~~~」。
中学まで同級生だった真由美さんが手を振っている。
玲子さんも一緒だ。
「雪下ろしに決まってんねか~。オメらこそ何で帰ってるがれ」。
「大雪らんだ、午後から休校になったが」。「いいの~」。
小千谷市内の高校は午後休校か・・・。オラは雪下ろし・・。
あれから、うん十年が過ぎた。
久しぶりの雪下ろしだが、やっている内にコツを取り戻した。
身体が覚えているんだな。
考えてみれば、冬の間の雪掘りは毎日の作業だった。
学校でも掃除の時間は雪消し作業。
遊びでやるスキーも、裏山にゲレンデ作りからやった。
勿論リフトなんか無い。自力で昇って、スキーで降りる。
かまくら作り、雪合戦、みな全身運動だ。
身体が鍛えられて当然だ。
おまけにある種の忍耐力や諦念が身に付く。
いいとか悪いとかではなくて。
ドラマ「深夜食堂」のオープニング曲。
鈴木常吉の「思ひ出」。素晴らしい曲だ。
是非聞いてみて下さい。
(つづくかもしんねーよ)
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