2010年1月14日木曜日

冬の星座

 暗い井戸の底に居ると、
 昼間でも星が見えることがあるそうだ。
 小説「ねじまき鳥のクロニクル」での話だけど。

 都会でも周りに光が無ければかなり星が見える、
 そう雑誌に書いてあった。

 僕が夜空を見て分かる星座は三つ。
 北斗七星(大熊座)、カシオペア座、そしてオリオン座だ。
 南十字星も見れば分かると思うが見たことが無い。
 天の河は何度か見た。

 子どもの頃、星を見るのは怖いことでもあった。
 天空に輝く星は、真っ暗な虚空の中にある。
 星に焦点を合わせると、自分自身が虚空に孤独に存在している
 そんな気持ちになった。

 実際に降るような満点の星と対峙したらどうだろう。
 それもたたった一人で。一人でなくても怖いと感じると思う。

 ロシアのアニメ作家ノルテンシュタインの作品
 「霧に包まれたハリネズミ」。
 ハリネズミのヨージクは星の綺麗な夜に友達の熊を尋ねる。
 夜の霧で森の中は辺りが見えない。大きな白い馬。梟。
 犬に追われたと思ったヨージクは、
 大切なお土産を森の中に置き忘れる。

 紆余曲折のあと、ヨージクは熊の家にたどり着く。
 星を見上げながら二人はお茶を飲み、
 こうして二人で星を見ながら話すのは、
 何という幸福なのだろうと語り合う。
 
 そろばん塾の帰り、東の空に見えたオリオン座。
 あれよりも大きな星々を見たことがない。
 

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