暗い井戸の底に居ると、
昼間でも星が見えることがあるそうだ。
小説「ねじまき鳥のクロニクル」での話だけど。
都会でも周りに光が無ければかなり星が見える、
そう雑誌に書いてあった。
僕が夜空を見て分かる星座は三つ。
北斗七星(大熊座)、カシオペア座、そしてオリオン座だ。
南十字星も見れば分かると思うが見たことが無い。
天の河は何度か見た。
子どもの頃、星を見るのは怖いことでもあった。
天空に輝く星は、真っ暗な虚空の中にある。
星に焦点を合わせると、自分自身が虚空に孤独に存在している
そんな気持ちになった。
実際に降るような満点の星と対峙したらどうだろう。
それもたたった一人で。一人でなくても怖いと感じると思う。
ロシアのアニメ作家ノルテンシュタインの作品
「霧に包まれたハリネズミ」。
ハリネズミのヨージクは星の綺麗な夜に友達の熊を尋ねる。
夜の霧で森の中は辺りが見えない。大きな白い馬。梟。
犬に追われたと思ったヨージクは、
大切なお土産を森の中に置き忘れる。
紆余曲折のあと、ヨージクは熊の家にたどり着く。
星を見上げながら二人はお茶を飲み、
こうして二人で星を見ながら話すのは、
何という幸福なのだろうと語り合う。
そろばん塾の帰り、東の空に見えたオリオン座。
あれよりも大きな星々を見たことがない。
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