禅の世界では、自分が現実だと信じていることも
実は幻想なのだと言う。
それどころか、自分というものも幻想だと言う。
僕らは一日24時間自分と向き合ってる。
(と思っている)。
自分が考えたこと、感じたことを全て自分自身だと
思いこんでいる。
ぼくら使っている言葉も考えも、実は何処からか来ている。
現代哲学では現象学や記号論が、主観と客観、
存在と言葉の関係性について論じている。
ジョンがビートルズ時代に書いた名曲、
「ストロベリーフィールズフォエヴァー」。
「生きるとことは、目を閉じてしまえば簡単なことさ」と唄う。
数年前、友人と出雲崎の良寛記念館を訪れた。
そこには復元された五合庵が建てられていた。
小さな粗末な庵に、良寛は20年も暮らした。
雪に閉ざされた冬は、寒さと孤独との闘いだったろう。
「独りで生まれ 独りで死に
独りで坐り 独りで思う
そもそもの始め そは知られぬ
いよいよの終わり そは知られぬ
空の流れ 水の流れ 清しかれ 」
亡くなる前にこんな詩を詠んでいる。
自分と向き合うこと、自分と付き合うこと。
自分と寄り添うこと、自分を労ること。
自分に囚われないこと。
僕は自分という妄想と意味という病に、
いつも囚われている。
ヘメレケソ。
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