2010年1月21日木曜日

悪の華

 芸術家と呼ばれる人たち。
 彼らは何故創作を続けるのか?
 
 思春期は芸術復活期とも言われる。
 急激な心や体の変化に対応する何かとして、
 芸術の持つ毒性を必要とするのだろうか。

 「全ての悪心は、生きようとする意志が
 辺り構わず激しく働く処から生じるものである」
 ショーペンハウエル

 若い時に、世界や世間、自分の人生や他者について
 悩んだり、憤慨したり、疑問を抱いたりする。
 本の中や、音楽、美術などの様々なものに答を求める。
 過去を美化するのは危険だが、様々なことを
 周りの人と話せたことは良かったと思う。
 人を傷つけるのは人であるが、
 やはり人は人によって癒されるのだ。
 
 人は皆、自分の中に悪の華を持っていると思う。
 それは時に怪物に変身する。
 芸術の毒は怪物を中和させる。
 けれど行き過ぎれば、自らを滅ぼしかねない。

 短命な芸術家は、多くの毒を食らわないと
 自らの怪物と対峙出来なかったのかも知れない。

 「怪物と対峙する時は、自らが怪物とならないように
  気を付けなければならない。
  あなたが深淵を覗く時、
  深淵もまたあなたを見つめているのだ」
 ニーチェ 

 こう述べたニーチェ自身が、自らの怪物に
 滅ぼされた人だとユングは指摘している。

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