2010年1月31日日曜日

Roll Over Beethoven (ベートーベンをぶっとばせ)

 夕べは満月だった。
 酒に酔った眼で、それを眺めた。
 
 自慢じゃないが、意志は強くない。
 意志どころか、体力も知力も感性さえも優れない。
 高校の友人、清人はいつもオレにこう言う。
 「よしいはセンスがねーども、
 絵を続けてることはごーぎら(凄いこと)や」。

 昨日は酒を飲まずに帰宅しようと思ったが、
 仕事で疲れたことを口実に、百薬の長に寄った。
 モツ焼きを肴に燗酒を飲んでいると、
 何があっても、もういいやオラ幸せだもんねとなる。

 以前このブログで雪国で雪掘りをしたことで
 忍耐力が付いた、などと書いた。
 大ウソだな。
 新潟生まれのくせに、オレは寒さにも人一倍弱い。

 水曜日に東京都芸術劇場でベートーベンを聴いた。
 東京交響楽団で指揮者の飯盛範親は有名らしい。
 演目は「皇帝」と「田園」。
 プロのフルオーケストラを聞くのは、
 10年以上前にサントリーホールで、
 作曲家ペンデルツキをN響で聴いて以来のことだろうか。

 演奏が始まる。
 数十名の楽団が音程もピッチもピタリと合わせる。
 プロなんだから当たり前かも知れないけれど、
 アンサンブルでもピタッと合わせるのは難しい。
 「皇帝」では楽団の一体感が凄くあって、
 音楽のドライブ感を堪能した。
 満席の大ホールの最前列で、
 ヴァイオリニストをスケッチしながら聴いた。
 印象派の画家でオーケストラを良く描いていた、
 ドガの気分だった。

 ベートーベンも才能在るんだなと、
 何故か上から目線でそう思った。
 ベートーベンの大袈裟な感じが好きではなかった。
 「田園」、「月光のソナタ」などを別だけれど。
 「エリーゼのために」もいい曲だ。
 結構好きなんじゃないか。
 
 クールな大バッハが、僕のお気に入りだ。
 けれど圧倒的な演奏でベートーベンを聴かされると、
 この当時のロックンロールみたいなものかと思った。

 
 「ベートーベンをぶっとばせ」。
 ビートルズでジョージが唄ってた。

 「苦悩を突き抜け、歓喜に至れ」ベートーベン
 「お酒を飲み抜け、閑喜に至れ」よしい  

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