2009年10月27日火曜日

ポンペイの壁画

 古代ローマの美術展に出掛けた。
 上野の西洋美術館だ。

 実を言えば古代ギリシャのクラッシック以降、古代ローマ
 の美術は好きでなかった。
 ルーブルで「サモトラケのニケ」や「ミロのヴィーナス」を
 見ても、いささかの変化もなかった。何故か?

 あまりに技巧的なのだ。「仏作って魂入れず」という感じかな。
 同じギリシャ人が作っても「ガンダーラ仏」は素晴らしい。
 前にも書いたが、主題、精神性はやはり重要なのだ。

 けれど、古代ローマの絵画は違う気がしていた。
 実物を見た。灰に埋もれた「ポンペイ」の壁画である。
 良かった。彫刻に比べると、拙さ、未熟さはあるのだが、
 逆にそれが魅力に思えた。

 展示の仕方も良かった。
 壁画は当時の家屋に合わせて展示されていた。
 出口近く、巨大液晶画面による映像での解説も驚いた。 
 発掘されたポンペイの街の現在の様子と、研究によって明らかにされた
 当時の生活のCG映像が合体して、タイムトラベルした気分になった。 
 
 2千年も前のローマ人の息づかいが感じられた。 
 
 
 
 

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