古代ローマの美術展に出掛けた。
上野の西洋美術館だ。
実を言えば古代ギリシャのクラッシック以降、古代ローマ
の美術は好きでなかった。
ルーブルで「サモトラケのニケ」や「ミロのヴィーナス」を
見ても、いささかの変化もなかった。何故か?
あまりに技巧的なのだ。「仏作って魂入れず」という感じかな。
同じギリシャ人が作っても「ガンダーラ仏」は素晴らしい。
前にも書いたが、主題、精神性はやはり重要なのだ。
けれど、古代ローマの絵画は違う気がしていた。
実物を見た。灰に埋もれた「ポンペイ」の壁画である。
良かった。彫刻に比べると、拙さ、未熟さはあるのだが、
逆にそれが魅力に思えた。
展示の仕方も良かった。
壁画は当時の家屋に合わせて展示されていた。
出口近く、巨大液晶画面による映像での解説も驚いた。
発掘されたポンペイの街の現在の様子と、研究によって明らかにされた
当時の生活のCG映像が合体して、タイムトラベルした気分になった。
2千年も前のローマ人の息づかいが感じられた。
0 件のコメント:
コメントを投稿